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梅雨明けの見通し立たず

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
雷が鳴ると梅雨が明けるというが。。。(写真:アフロ)

今年の梅雨はいつまで?例年ならば、梅雨明けが近づく頃だが、週間予報がさえない。夏の主役である太平洋高気圧に安定感がなく、梅雨明けが平年よりも遅くなる可能性が出てきた。

雷は梅雨明けのサイン

「雷が鳴ると梅雨が明ける」ということわざがあります。梅雨末期は、発達した雨雲により大雨が頻発するときで、昼夜を問わず激しい雷が鳴ります。

気象エッセイストの倉嶋厚さんは著書のなかで「暴れ梅雨の最後の一発だけが印象に残って言われるようになったのだろう」と述べています。

関東地方は昨日(14日)から、激しい雷雨が相次いでいます。梅雨明けの兆しかと思うところですが、どちらかというと、まだ梅雨は明けないサインのようです。

夏の主役である太平洋高気圧が弱まり、本州の上空には寒気が流れ込んでいます。この雷は夏の高気圧に勢いがないことを表しています。

九州北部地方に長雨情報も

7月14日は九州南部、19日は九州北部地方の梅雨明けの平年日です。例年ならば、この頃から梅雨明けがスタートするわけですが、今年はちょっと様子が違います。

長雨と日照不足に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報 第1号(気象庁)
長雨と日照不足に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報 第1号(気象庁)

今日(15日)午後、九州北部地方に長雨と日照不足の気象情報が発表されました。今後2週間程度はくもりや雨の日が続き、降水量も多くなるとの見通しです。

7月下旬といえば、夏空まっさかり、一年で最も暑さが厳しい頃です。このときに夏が来ないと、その夏は天候不順になってしまいます。

太平洋高気圧に安定感なし

とはいっても、すでに夏空あり、猛暑日ありと、梅雨が明けてしまったかのような天気もあります。実際のところ、今は梅雨なのでしょうか、夏なのでしょうか?

これまでの関東地方は雨が少なく、気温も高いです。今年は早めに梅雨が明けるという思いもありました。

週間予報(16日ー22日):気象庁15日11時発表
週間予報(16日ー22日):気象庁15日11時発表

しかし、この先、太平洋高気圧の強まりがはっきりせず、安定感のない状況をみて、梅雨明けのタイミングがつかめないという思いに変わってきました。

さらに、オホーツク海高気圧の影響で、関東地方から北日本太平洋側では天気がぐずつき、気温も低めに推移する可能性があります。

【参考資料】

倉嶋厚,1999:百雷台風・百雷梅雨,ちょっと使えるお天気知識,小学館,80-83.

福岡地方気象台:長雨と日照不足に関する九州北部地方(山口県を含む)気象情報 第1号,平成28年7月15日14時50分

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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