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【オートバイのあれこれ】市販車初の水冷クウォーターマルチ!

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「市販車初の水冷クウォーターマルチ!」をテーマにお話ししようと思います。

2020年にカワサキから『ZX-25R』が登場し、最近ホットなトピックとなっているクウォーターマルチ(=250ccの4気筒)エンジン。

▲10年以上ぶりの“4スト・250cc・4気筒”モデルとして現れたカワサキ・ZX-25R
▲10年以上ぶりの“4スト・250cc・4気筒”モデルとして現れたカワサキ・ZX-25R

1980年代後半にはヤマハ『FZR250』やスズキ『GSX-R250』等、また’90年代においてはホンダ『ホーネット』やカワサキ『バリオス』等に搭載され、クウォーターマルチの4ストロークモデルはポピュラーな存在でしたね。

そんなクウォーターマルチエンジンを搭載した最初の市販車が、スズキの『GS250FW』でした。

▲カタナやガンマ等、斬新なバイクを意欲的に作っていた’80年代のスズキ。このGS250FWもスズキの意欲作の一つと言えよう
▲カタナやガンマ等、斬新なバイクを意欲的に作っていた’80年代のスズキ。このGS250FWもスズキの意欲作の一つと言えよう

250ccの水冷4気筒2バルブDOHCエンジンを搭載していたGS250FWは、「ついに4気筒が250ccクラスにもやって来た!」ということで話題を呼びました。

しかしながら、GS250FWがデビューした’83年(昭和58年)、スズキは2ストロークレプリカの『RG250ガンマ』もリリースしていて、ロードレースの人気が高まるなか、世間の関心はガンマのほうへ集中してしまいます。

250ccという小さなエンジンに、4つのピストンとツインカム、そして水冷システムを詰め込んだGS250FWは当時としては十分ハイテクなオートバイだったものの、さすがに当時のレーサーレプリカ人気には抗うことができず、2年ほどで後継モデルの『GF250』へバトンを継ぐ形で消えていったのでした。

▲エンジンは、’83年時点での4スト250ccクラスにおいてトップとなる36psを発揮
▲エンジンは、’83年時点での4スト250ccクラスにおいてトップとなる36psを発揮

ただ、このGS250FWが当時のバイクシーンに刺激を与えたのもまた事実で、ヤマハは’85年に同じ4気筒エンジンを搭載した『FZ250フェーザー』を、ホンダは’86年に『CBR250FOUR』をそれぞれリリース。

▲クウォーターマルチのカテゴリーは、’80年代後半から本格的に盛り上がることになる
▲クウォーターマルチのカテゴリーは、’80年代後半から本格的に盛り上がることになる

以降は250ccクラスにおいても4気筒モデルが定着し、やがてレプリカブームに伴うクウォーターマルチ合戦へと繋がっていくのでした。

GS250FW自体はメジャーな存在にはなれませんでしたが、クウォーターマルチの先駆けとなったという点では、決して見過ごすことのできない1台だと言えるでしょう。

画像引用元:スズキ/本田技研工業/ヤマハ発動機/カワサキモータースジャパン

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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