JR京葉線ダイヤ改正 快速2本は異例の見直しで復活も、通勤快速は事実上の有料特急化
ダイヤ改正発表後の異例の見直し
2024年1月16日、JR東日本千葉支社はすでに発表されていた京葉線の改正後のダイヤについて快速列車2本を復活させるという異例の見直しを発表した。JR東日本は昨年12月に3月のダイヤ改正の内容を発表。この中で、千葉市の蘇我駅と東京駅を結ぶ京葉線の朝と夕方以降の通勤・通学時間帯の通勤快速と快速を廃止するとされ、千葉市はもとより通勤快速が直通する千葉県内の各地域から、東京駅までの所要時間が最大で20分伸びると怒りの声が噴出。千葉市長や千葉県知事がJR東日本に対して、通勤快速と快速の廃止を行わないようにJR東日本に申し入れる事態となっていた。
これを受けてJR東日本千葉支社は、蘇我駅を6時43分と6時51分に発車する快速列車を設定することを発表した。快速の蘇我―東京間の所要時間については42~44分とこれまでの快速と同等の所要時間とされた。快速の具体的なダイヤの発表前までは、「快速を復活するといっても、各駅停車の途中駅を通過扱いとして所要時間は各駅停車と変わらない」こともあり得るのではないかという不安の声も一部では上がっていたが、快速の所要時間に対する懸念は払拭されたことになる。しかし、蘇我―東京間を40分ほどで結ぶ通勤快速は復活せず廃止となる。
通勤快速は事実上の有料特急化
千葉市長はこれに対して「反映はごく一部にとどまっていて、依然、納得できるものではない」と反発し、千葉県知事も「本質的な解決には至っていない」「沿線地域に配慮したさらなるダイヤの見直しが速やかに行われるよう、今後も強く求めていきたい」という考えを示している。
現行ダイヤで蘇我駅を7時44分に発車する東京行の通勤快速は3月のダイヤ改正以降は各駅停車となるが、これに代わる形で7時39分発の有料の特急わかしお4号が新設され、通勤快速の廃止は事実上の有料特急化ともいえる。しかも、現行の通勤快速では蘇我―東京間を42分で結んでいるのに対して、有料特急化後は特急料金が新たに徴収されるにもかかわらず所要時間は46分に増加する。
通勤快速の廃止が事実上の有料特急化であることについては、まだ、あまりメディアでは触れられていないようであるが、こうした事実が周知されれば、さらなる千葉県民の反発を招きかねないであろう。
(了)