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神出鬼没の雷雲、あっという間に猛烈な雨に、関東も警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
あちらこちらに湧き立つ積乱雲(ウェザーマップ)

神出鬼没に出現

雨雲の様子(気象庁発表)
雨雲の様子(気象庁発表)

きょう28日(水)は全国的に大気の状態が非常に不安定となっており、上図のようにあちらこちらで雷雲が湧き立っています。この雷雲は、晴れていたところに急に流れ込んできたり、また急に湧き立ったり、まさに神出鬼没の様相を呈しており、いわゆるゲリラ雷雨と呼ばれるような天気急変があちらこちらで発生している状況です。(最新の雨雲の様子

タイトル画像でみるような雲頂高度15000メートルにも達するような活発な積乱雲がわずか30分もしないうちに発生、発達し、突如として猛烈な雨に見舞われるような所も相次いでいる状況です。

富山県の一部では危険度が急上昇

キキクルの状況(ウェザーマップ)
キキクルの状況(ウェザーマップ)

昼過ぎから富山県の富山市や立山町周辺で猛烈な雨が降り続き、気象庁による危険度分布(キキクル)では紫色の危険が出ている地域があり、これは警戒レベルでレベル4の避難指示に相当するような危険度となっています。

きょう28日(水)15時50分現在、富山市山間部東、立山町、上市町には土砂災害警戒情報が発表されています。

このように、局地的に危険度が急上昇する場所がいつどこで発生してもおかしくない状況です。

下層暖湿気と上層寒気の影響

下層と上層の様子(ウェザーマップ)
下層と上層の様子(ウェザーマップ)

この非常に不安定な天気をもたらしているのは、下層に流れ込んでいる暖湿気と上層の寒気の影響です。

きょう28日(水)は北海道から九州にかけての広い範囲で30度以上の真夏日となっており、東京都心でも最高気温が32.3度と今年一番の暑さとなり、しかも最小湿度は62%と湿気がとても多く、まるで沖縄のような空気感、蒸し暑さとなっています。(最高気温の様子

一方、上空約5500メートルには-6度以下の寒気が本州付近を覆うように流れ込んでおり、こうなると、相対的に下層の暖湿気は軽く、上層の寒気は冷たく重たいため、バランスが悪くなり、これを解消するように上昇流が強まり、雷雲が神出鬼没に発生している状況です。

これからあす29日(木)にかけても不安定な状態が続き、またあさって30日(金)は、上空の寒気が弱まっても、梅雨前線の活動が活発となってくる見込みで、しばらく大雨や雷、突風などに要注意な状態が続きそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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