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延長戦のノーヒット・ノーランは2度、振り逃げによる走者だけのノーヒット・ノーランは皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
千葉ロッテ・マリーンズの佐々木朗希と益田直也は、計9イニングを無安打に封じた(写真:イメージマート)

 4月17日、千葉ロッテ・マリーンズの佐々木朗希益田直也は、合わせて9イニングを無安打に封じた。佐々木が先頭打者から24人を続けて討ち取り、9回表は益田がマウンドへ。対戦した2人目の打者の振り逃げにより、完全試合は途切れたが、そこから2人をアウトに仕留め、イニングを終えた。

 ただ、北海道日本ハム・ファイターズだけでなく千葉ロッテも、9イニングとも得点を挙げることができなかった。延長戦のノーヒット・ノーランは、これまでに2度しか達成されていない。1973年8月30日と2006年4月15日だ。1度目は、11イニングを投げた江夏豊が、11回裏にホームランを打った。2度目は、3投手が計12イニング。八木智哉が10イニング、武田久MICHEAL(マイケル中村)が1イニングずつを投げた。

 それらに続く、3度目とはならなかった。北海道日本ハムが、10回表に万波中正のホームランでノーヒット・ノーランを阻むと同時に1点を挙げ、そのまま逃げきった。

 また、9回裏に千葉ロッテがサヨナラ勝ちを収めていれば、振り逃げによる走者だけのノーヒット・ノーランは史上初だった。この回の千葉ロッテは、無死一塁→無死二塁→無死一、二塁→1死二、三塁→2死二、三塁→2死満塁としながら、ホームを踏むことができなかった。なお、1948年9月6日の真田重蔵と2006年9月16日の山本昌は、エラーによる走者だけのノーヒット・ノーランを達成している。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)において、延長戦のノーヒッターは4度達成されている。4度目の1997年7月12日は、2投手による継投だ。フランシスコ・コードバリカルド・リンコンが、それぞれ9イニングと1イニングを投げた。

 振り逃げによる走者だけのノーヒット・ノーランは1度。昨年5月5日に、ジョン・ミーンズ(ボルティモア・オリオールズ)が達成している。3回裏の1死から、3ストライク目の空振りがワイルド・ピッチとなり、打者は一塁へ。その走者は、次の打者の初球に二盗を試みて刺された。この試合でミーンズが対戦した打者は、27人だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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