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挑み続けた31年〈トライアンドエラーを繰り返しながら常に前へ〉濃厚ベタ系豚骨ラーメンを福岡から世界へ

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

「福岡県福岡市中央区警固。1993年の創業で、新進気鋭の知る人ぞ知るお店の頃から「博多ラーメン」を全国区へと飛躍させる一翼を担う存在として福岡のラーメンシーンをリードしてきた有名店の一つ〈秀ちゃんラーメン〉。今年31年を迎えた歴史ある名店は、創業当初から超濃厚なコッテリとした豚骨のスープと超極細の麺という個性で、地元のラーメン好きがこぞって訪れる超人気店へと一気に駆け上がった。

ラーメンカルチャーを福岡から世界へ

福岡のラーメンシーンに今もその名を刻み続けるレジェンド店として誰もが認める存在ながら、国内だけでなく2005年からは上海を皮切りに、香港、カンボジアと海外進出も果たし、その挑戦の歴史は止まることを知らない。2012年には香港、ニューヨークの〈秀ちゃんラーメン〉がミシュランに同時掲載されるなど、さまざまなタイトルも獲得。さらにその後も海外事業を中心に邁進。美味しいだけでは生き残れないラーメン業界において風穴を開ける展開を模索し、さまざまなトライアンドエラーを繰り返しながら、福岡から世界へ、常に前へ前へと挑み続けてきた歴史を刻んできた名店だ。

創業の地は2019年から「とんぼ店」に

現在の「秀ちゃんラーメン」は、創業当時と同じ場所(福岡市中央区警固)で営業を続けながらも、2019年に全面的なリニューアルをおこない、現在の店主へバトンタッチ。新たに〈秀ちゃんラーメンとんぼ店〉として継承。再スタートしてからすでに5年の月日が経過し、今も変わらず個性豊かな人気店として営業している。

現在の「秀ちゃんラーメンとんぼ店」の一杯
現在の「秀ちゃんラーメンとんぼ店」の一杯

初代〈秀ちゃんラーメン〉という存在感

その「秀ちゃんラーメン」を立ち上げたのが創業60年の歴史ある「博多ラーメン」の老舗店にして福岡を代表する有名店「博多だるまグループ」各店を率いる代表の河原秀登さん。今から24年前の2000年にご両親から引き継いだ「博多だるま」の二代目店主となり、その人気を不動のものとした人物。そのお名前から分かる通り「秀ちゃんラーメン」の生みの親であり現代に生きるレジェンドだ。

そして、あの頃の「秀ちゃんラーメン」の味を懐かしむ人々の受け皿として、そのDNAを現在受け継いでいるお店が福岡市内に一つ存在する。福岡市博多区住吉にある大型商業施設「キャナルシティ博多」内にあるラーメン特化型のテーマパーク「ラーメンスタジアム」内にある〈初代秀ちゃん〉がその継承店だ。

キャナルシティ博多「ラーメンスタジアム」

テーマパークの出店としてはめずらしく、2011年に入店して以来、13年というロングランのテナントとして稼働。今回、久しぶりにあの頃の「秀ちゃん」のラーメンが食べてみたくなり訪問することにした。 店名は〈初代秀ちゃん〉。まさに30年以上前、地元民が歓喜したあの一杯を今もなお継承し続ける「濃厚ベタ系豚骨ラーメン」のお店だ。

〈初代秀ちゃん〉は地元濃厚ファン向け?

食べたくて仕方なかった平日の昼前。福岡市博多区住吉の「キャナルシティ博多」の5階にある「ラーメンスタジアム」内にある〈初代秀ちゃん〉へ向かう。開店前にもかかわらず、外国からの観光客がすでに各店の前に陣取る。開店と同時にその後方に並び券売機では「ラーメン煮卵入り」を選択し、一番奥のカウンター席へ。

待つことしばしで配膳された一杯は、超絶ベタ感あふれる濃厚なスープと、超極細の麺がまさにあの頃の「秀ちゃん」。写真を撮っている間に脂の膜が覆うほどの濃厚なスープ。麺を啜りながら警固時代のあの衝撃が今に甦ってくるヤバイ感覚。

海外インバウンドや観光客に向けてというよりも、昔を懐かしむ地元民や、あの濃厚ベタ感を知らないみなさんへ、ぜひ食べていただきたい逸品。

待望の夏季限定メニューも投入されて

茹だるような暑さが続く一日。実はこの日、もう一杯いただいた。店頭のメニュー表を眺めていると1枚のPOPが目に止まる。そこには「鶏と焼きあごの冷やしラーメン」という夏季限定メニューの案内がある。

発売開始日が令和6年7月9日から、となっていたのでリリースされてまだ間もないようだ。そのPOPを深く見てみると、東京・お台場にある「三代目博多だるま」の店長さんが考案されたと書かれていて、ちょっと食べてみたい気持ちが湧き上がる。その場でお店のインスタなどで内容を確認。

大量の国産煮干しや九州産「焼きあご」から抽出した旨みたっぷりの冷製出汁にチャーシューは鶏モモと豚肩ロースの2種を使用。麺は自家製の極細麺、メンマは水煮をオリジナルレシピで再仕込みした逸品らしく、これはもういただこうと決めて店内でその一杯もいただき、大満足な一日の始まりだった。たいへん美味しくいただきました。暑い日が続く中、機会があればぜひご賞味ください。

博多豚骨 初代秀ちゃん

住所  :福岡県福岡市博多区住吉1丁目2-22
    :キャナルシティ博多5階 ラーメンスタジアム[地図
営業時間:11時00分~22時00分
定休日 :キャナルシティ博多に準じる
駐車場 :施設内駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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