うさ耳イモムシで「卯年」明けましておめでとう!#イモムシ
謹賀新年。今年は卯年、うさぎ年。「うさ耳」カチューシャ姿で成人式に参加するコスプレーヤーが続出するのが楽しみだが、昆虫界で「うさ耳」と言えば、言わずと知れた(虫好き以外はだれも知らない)クロコノマチョウの幼虫だ。
クロコノマチョウの大きな幼虫がたくさん見られるのは、夏と秋の2回。林縁のススキやジュズダマ、池の周囲のヨシなどでよく見かける。それなのになぜ、今頃紹介するのか。それはもちろん「うさ耳イモムシ」が最も注目される(と昆虫記者が期待する)のが、うさぎ年の正月の今だからだ。
いつやるか、今でしょ(古いフレーズだ)という、自分勝手な「ご都合主義」。「うさ耳イモムシで明けましておめでとう」などという売り文句で、クロコノマチョウ幼虫の知名度を上げ、虫好き人口を増やそうという、あさましい魂胆が見え見えなのである。
今年夏になって「うさぎ年のうさ耳イモムシ」などと取り上げても、「あれ、今年はうさぎ年だったっけ?」といった反応になってしまう。干支(えと)などというものは、年末年始にだけ派手に取り上げられて、チヤホヤされるものなのだ。
クロコノマチョウは成虫越冬するので、成虫は真冬でもどこかにいるはずだ。しかし、この成虫は非常に地味なので、虫好きの間ですら、注目を集めることはほとんどない。クロコノマチョウと言えば、やはり幼虫。そしてうさぎ年の今年こそが、クロコノマチョウ幼虫の最大のモテ期なのだ。
(写真は特記しない限りすべて筆者撮影)