ノート(94) あしたのために 拘置所から家族を思うということ
~整理編(4)
勾留39日目
主任弁護人
土曜であり、信書の発信や受信ができない日だったが、刑務官が速達便を持って独房までやってきた。弁護人からのものであり、このタイミングで何ごとかと驚いた。中を見ると、「主任弁護人指定届」という書面と、サインした上で早急に返送してほしいと書かれた手紙が入っていた。
弁護人が複数おり、弁護団が組まれると、裁判所や検察庁としても誰と書面などのやり取りをすればよいのか、という問題が生じる。法廷でも、それぞれの弁護人がバラバラに申立や質問、尋問などをすれば、混乱してしまう。
そこで、被告人が自ら指定するか、全弁護人で合意するといったやり方で、弁護人の中から弁護団を代表する主任弁護人を選ぶ決まりとなっているわけだ。
僕の弁護団の場合、事件そのものの弁護を担当するヤメ検の若手弁護士が主任弁護人を務めることになっていた。実際には同じくヤメ検で僕の元上司の弁護士が弁護活動全体を統括していたものの、あえて法廷には出ない、という話になっていたからだ。
あしたのために
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