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負け続けているのにトロントメイプルリーフスを応援しているあなた! 石の上にも「あと3年」です !!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
最後にプレーオフシリーズで勝利した12年前のキャプテン マッツ・サンディン(写真:ロイター/アフロ)

モントリオールカナディアンズと並んでホッケー大国・カナダのシンボルで、NHLの名門チームと称されるのが、トロント メイプルリーフス

しかし、近年は芳しい成績を上げられず、「名門」と呼ぶのも、はばかられそう。

というのも、ここ10年間でプレーオフに進んだのは一度だけで、しかもファーストラウンド敗退。最後にプレーオフのシリーズを制して、次のラウンドに勝ち上がったのは、13季前(ロックアウトによるシーズンキャンセルの年を含む)まで、さかのぼらなければならないからです。

リーフスファンの皆さんは「13回も優勝した名門チームだ!」という事実が、水戸黄門の印籠のごとく、決めゼリフになっているでしょうけれど、トロントが最後にスタンレーカップを手にしたのは、NHLが6チームで争われていた「1967年」

現時点のロースターに名を連ねている選手で最年長のマット・ハンウィックが、1985年生まれ(31歳)である事実を目の当たりにすると、どれだけスタンレーカップ(=NHLの優勝チームが手にするカップ)から遠ざかっているかが、よく分かりますね(苦笑)

▼世界一のヘッドコーチを引き抜いた!

このような長いトンネルを抜け出そうと、トロントが一昨季に断行した打開策が、「世界一のヘッドコーチ(HC)の招へい」でした。

デトロイト レッドウィングスのHCを務めていた マイク ・バブコックを、

8年総額約5000万USドル(およそ60億円=当時のレート)

で引き抜きました !!

「世界一のヘッドコーチ」という表現は、決して過言ではなく、デトロイト時代にスタンレーカップを勝ち取ったのに加え、カナダ代表のHCとしてオリンピックと世界選手権で優勝。

国際アイスホッケー連盟が定めるトリプルゴールド クラブに、HCとして名を連ねる世界で唯一の人物なのです!

それだけに、リーフスファンからは、賛同や称賛の声が聞かれました。

▼名門復活の切り札も特効薬とならず

しかしながら、就任1年目の昨季も、NHL全30チーム中、最下位に低迷。

迎えた今季も、スタートダッシュに失敗し、開幕から間もなく1か月という昨夜(現地時間)の時点で、5勝8敗。(うち3敗はOT以降の敗戦)

GKの負傷が続き厳しい戦いを強いられているロサンゼルス キングスに、0-7 のスコアで大敗を喫するなど、勢いに乗りそうな兆しは見られません。

そんなチーム状態を見兼ねたトロントのファンからは、バブコックHCではなく、ルー・ラモリエロGMをはじめとするフロントスタッフへの非難の声が、上がり始めてきた模様。

なぜかと言うと、、、

「バブコックHCは、9月に行われたワールドカップでカナダを世界一に導いたのだから、ちゃんと選手が揃っていれば、トロントも勝てるはずだ!」

という主張で、まさしく「ごもっとも」な意見ですね。

▼リーフスファンは石の上にも「あと3年」!

同じトロントをホームとするMLBのブルージェイズや、NBAのラプターズが、プレーオフで好成績を残しているのと対照的に、NHLのメイプルリーフスだけが低迷続きとあって、“負け組”のリーフスファンは肩身の狭い思いをしながら、「Go Leafs Go !!」の声援を送り続けているようですが、、、

ご安心ください! リーフスファンの皆さんにとって、心強いデータがあるのです!

ここまでのポイント(ゴール数とアシスト数の合計)トップ3を見てみると、

1位ウィリアム・ニーランダー(20歳)→ 12ポイント

2位オーストン・マトュース(19歳)→ 11ポイント

3位ミッチ・マーナー(19歳)→ 10ポイント

というように、20歳以下のFWがトロントのオフェンスを、けん引しています。

(27歳のジェイムス・バン・リムズダイクも10ポイントで3位タイ)

アメリカのメディアによると、開幕から1か月の段階とは言え、チーム内のポイントトップ3に、20歳以下のFWが並んだのは、

ウェイン・グレツキー(当時20歳)

マーク・メシエ(同20歳)

ヤリ・クリ(同21歳)

という、いずれも殿堂入りを果たした3人のFWが、揃って20~21歳だった36季前(1980-81シーズン)のエドモントン オイラーズに続く快挙だとのこと。

ちなみに当時のエドモントンは、3年後(1983-84)に初優勝したのを皮切りに、7年間で5度もスタンレーカップを勝ち取り、文字どおりの黄金期を築きました。

このようなエドモントンの歩みを振り返ると、トロントファンの皆さんは、石の上にも「あと3年!」

もう少しの辛抱で、美酒に酔えそうな期待が高まるだけに、あきらめず「Go Leafs Go !!」の声援を送り続けては、いかがでしょうか?

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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