検索エンジンで「確定申告」や「e-tax」と検索すると国税庁を騙る偽サイトに誘導される問題
検索エンジンサービスの『Yahoo! JAPAN』や『Bing』で「確定申告」や「e-tax」といったキーワードを検索すると、偽サイトに誘導される広告が表示されていたことがわかりました。
マイクロソフトが運営する『Bing』が発端に
この問題はとあるTwitterユーザーが『Bing』で確定申告のページに行こうと検索結果の上部に出ている広告をクリックしたところ、偽サイトに誘導されてしまいブラウザの起動ページが書き換えられたと2月7日にツイートしたことからネット上で話題となりました。
その後、この話題が拡散されていくなかで『Bing』を運営するマイクロソフトが対処したのか、2月10日には検索結果の広告に偽サイトが表示されないよう修正されています。
広告を表示していたのはYahoo!のシステム
しかし、この偽サイトへ誘導する広告を表示していたのは、『Bing』ではなく『Bing』が利用しているYahoo!のリスティング広告システム(Yahoo!プロモーション広告)だったのです。
そのため話題にあがっていなかった検索エンジン『Yahoo! JAPAN』では、記事執筆時点(2月11日0時55分)でも偽サイトへの誘導広告が表示される状態が続いています。
偽サイトからより悪質なサイトに誘導される可能性
こうした偽サイトによる広告を許す場合の問題は、その偽サイトからさらなる悪質なサイトに誘導されてしまう可能性があるという点です。
偽サイトをクリックした場合、多くのユーザーは間違ったサイトに誘導されてしまったことを認識します。そのなかで「国税庁のホームページはこちら」といったテキストのリンクが設置してあった場合、それをクリックしてしまう人は少なからずいると考えられます。
今回の「Yahoo!プロモーション広告」では、広告をクリックした先のウェブサイトを人の目と機械の両方で審査しています。しかし、偽サイトの掲載を許すような体制で偽サイトからの誘導先まで審査できているかは信頼できません。
また、審査合格後に掲載内容を変更するといった方法も存在します。この場合は掲載後に行われるパトロール審査で弾かれるとのことですが、偽サイトに誘導をかける人物であればパトロール前に少しでも多くの人を騙そうとする可能性も考えられます。
発端となったツイートには「IEの起動時のページがfromdoctopdfなるものに置き換わって何度消そうとしてももとに戻らない」とあり、偽サイトが原因かは断定できないものの起動ページ書き換えという被害にあっていることは明白です。
検索エンジンを通じての偽サイトへの誘導は国税庁が管理するものではなく、「Yahoo!プロモーション広告」が管理するべきものです。たとえ国税庁の公式サイトとはデザインが異なっていても、国税庁を騙るサイトへの広告掲載は認めるべきではないと筆者は思います。