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紅白歌合戦の出場ならなかった東方神起やBTSも!! 韓国の“年末歌謡祭”事情

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
TWICE(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

2018年も大みそかを迎えたが、歳末の風物詩といえばNHK紅白歌合戦だろう。今年も米津玄師の初出場やサラ・ブライトマンとYOSHIKIの共演など話題が多いが、韓国からもガールズグループTWICEが2年連続で出場する。

紅白歌合戦には、2000年代に数多くの韓国アーティストが参加してきた。

BoAは2002年から2007年まで6年連続出場を果たし、東方神起は2008年から3度出場。2011年にはKARAと少女時代も出場しているが、TWICEはKARAや少女時代もできなかった2年連続の出場となる。

それだけに紅白歌合戦は韓国でも知名度が高く、TWICEの出場は韓国メディアでも数多く報じられていた。

「美しい顔」の“K-POPクイーン”も登場

もっとも、年末には韓国でもビッグイベントが行われる。韓国では12月下旬にKBS、SBS、MBCの地上波3局がこぞって年末歌謡祭を開催するのが恒例となっているのだ。

今年は12月25日に『SBS歌謡大典』、28日に『KBS歌謡大祝祭』が行われ、本日31日には『MBC歌謡大祭典』が午後8時45分から生放送される。

年末歌謡祭では、その年を彩ったアーティストたちがパフォーマンスを披露しており、今年もその顔触れは豪華だ。

『SBS歌謡大典』には、MAMAMOOやBLACKPINK、Red Velvetなど、「世界で最も美しい顔100人」にノミネートされたガールズグループが数多く登場した。

(参考記事:「世界で最も美しい顔100人」発表。韓国芸能界から選ばれた美女、一挙全公開!!

また、『KBS歌謡大祝祭』ではBTSのJIN、TWICEのダヒョン、EXOのチャンヨルらトップアイドルが司会に抜擢。

『MBC歌謡大祭典』では東方神起が4年ぶりに登場して今月26日にリリースしたニューアルバムの曲をテレビ初披露するという。

(参考記事:韓国カメラが撮った東方神起。キュートな笑顔にキレッキレのダンスも!!【PHOTO】

ちなみに午後8時45分から生放送される『MBC歌謡大祭典』には、BTS(防弾少年団)やEXO、RedVelvetにWannaOne、MAMAMOOにSEVENTEENなど人気K-POPグループが揃い踏みだ。

紅白歌合戦に出場するTWICEも出演するという。昨年はチャーター機で日韓を往復する離れ業をやってのけた。今年は事前収録もくしは日本からの中継出演などが予想されるが、どんな方法をとるか楽しみでもある。

一方で宮脇咲良らAKB48メンバーも参加し今年10月にデビューした日韓合同ガールズグループ「IZ*ONE」(アイズワン)の出演は見送られたが、いずれにしても地上波3局の年末歌謡祭は一年を締めくくるにふさわしい一大イベントとなっているといえるだろう。

(参考記事:AKB矢吹奈子、本田仁美の韓国名は?IZ*ONEの生配信が視聴者20万超の反響

紅白よりもレコ大に近かった

もっとも、そんな韓国の年末歌謡祭も、かつては逆風にさらされたこともあった。

振り返れば、もともと各放送局の歌謡祭は、さまざまな賞が設けられてアーティストたちを称える「授賞式」だった。紅白歌合戦よりも日本レコード大賞に近いイメージだったといえばわかりやすいかもしれない。

当時はそこで賞を手にできれば「生涯の栄光」ともされるほど権威もあったが、各放送局は2006年に授賞式を廃止し、現在のショー形式に切り替えている。

その方向転換の一因に、“審査の公正性”があったという説があるのだ。

審査の公平性が問われたのは2005年の歌謡祭のこと。この年、3局の歌謡祭で男性歌手キム・ジョングクが大賞を独占したことに、視聴者から疑問の声が相次いだという。

当時、キム・ジョングクの人気を集めていたのは事実で、彼が歌った『サランスロウォ(愛らしい)』は2006年を代表するヒット曲のひとつだったが、それでも人気絶頂の東方神起らアイドルグループを差し置いて大賞を独占するほどではないとされ、物議を醸していた。

そんな騒動もあって現在のショー形式に方向転換した年末歌謡祭だが、近年はK-POPアイドルを中心に豪華パフォーマンスが注目され、年の瀬の風物詩として人気を集めている。

本日行われる『MBC歌謡大祭典』などは、韓国の演歌とされる“トロット”をはじめさまざまなジャンルのアーティストをラインナップするなど、老若男女問わず楽しめる国民的イベントとしてパワーアップしているというから注目したい。

日本の紅白歌合戦と同じく、韓国でも盛り上がる年末歌謡祭。今年もさまざまなニュースがあった韓国芸能界だが、歌で一年を締めくくる点で日本と韓国は似ているのかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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