6年続けてディビジョン・シリーズを勝ち上がっているチームの前に、かつての中心選手が立ちはだかる!?
10月8日、カルロス・コレイア(ミネソタ・ツインズ)は、二塁打2本を含む3安打を記録し、1打席目の二塁打で1打点、3打席目のシングル・ヒットで2打点を挙げた。
この3打点は、ポストシーズンの通算61~63打点目だ。まず、61打点目を挙げ、それまで4位タイにいたデレク・ジーターとデビッド・オティーズの2人に追いつくと、四球の1打席を挟んで彼らを上回り、3位のデビッド・ジャスティスに並んだ(打点が公式記録となった1920年以降の順位)。その上には、80打点のバーニー・ウィリアムズと78打点のマニー・ラミレスしかいない。
ちなみに、コレイアは、ポストシーズン最初の59打点をヒューストン・アストロズ時代に記録した。あとは今年のポストシーズンで挙げていて、60打点目の相手は菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)だったが、10月8日の打点は、いずれも、前チームメイトのフランバー・バルデスから挙げた。1~59打点がアストロズ、61~63打点が対アストロズだ。
2021年のオフに、アストロズからFAとなり、ツインズと3年1億530万ドル(2022~24年)の契約を交わした。昨オフ、この契約についていたオプト・アウトの権利を行使し、再びFA市場に出たコレイアは、6年2億ドル(2023~28年)の契約でツインズに戻った。
オプト・アウトから再契約までの間には、合意に達しながら成立には至らなかった2件の契約、サンフランシスコ・ジャイアンツとの13年3億5000万ドル(2023~35年)とニューヨーク・メッツとの12年3億1500万ドル(2023~34年)を挟んでいる。誰が最初に言い出したのかはわからないが、一連の動きは「コレイア・サガ」と称された。
幻に終わった契約の総額には及ばないとはいえ、6年2億ドルは、紛れもない大型契約だ。今年のレギュラーシーズンは不振ながら、コレイアは、このポストシーズンでその真価を発揮している。
ワイルドカード・シリーズの活躍については、こちらで書いた。
◆「6年2億ドルの契約1年目に大不振の遊撃手が、ポストシーズンで価値あるプレーを連発する」
ディビジョン・シリーズの第2戦も、3打点を挙げただけではない。9回裏には、三遊間を抜けていきそうな打球を倒れ込みながら捕ると、素早く立ち上がって深い位置――土の部分ではなく芝生――から一塁へ送球し、試合を終わらせた。ちなみに、この打球を打ったのは、コレイアの後任の遊撃手、ジェレミー・ペーニャだ。
ここまでのシリーズは、アストロズとツインズが1勝ずつを挙げている。
2017年以降、アストロズは6年続けてディビジョン・シリーズを勝ち上がり、次のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズに進んでいる。昨年以外、2021年までは、コレイアもそのメンバーだった。けれども、今年は、コレイアがツインズを牽引し、アストロズのストリークに終止符を打つかもしれない。