11年ぶりに古巣へ戻ったプーホルスに、出場機会はどれくらいあるのか。700本塁打まであと21本
セントルイス・カーディナルスに、アルバート・プーホルスが戻ってくる。セントルイス・ポスト-ディスパッチのデリック・グールドによると、契約は1年250万ドルだという。
プーホルスは、1999年のドラフトで402人目(13巡目)に指名され、カーディナルスに入団した。そして、2001年にメジャーデビューし、2011年まで在籍した。11シーズンの成績は、打率.328、出塁率.420、445本塁打、OPS1.037だ。「ザ・マシン」のニックネームどおり、シーズン本塁打は32本を下回ったことがなく、最初の10シーズンは、打率.310、出塁率.390、OPS.950をいずれも上回った(2011年は、打率.299、出塁率.366、OPS.906)。
カーディナルス時代に出場した7度のポストシーズンでも、74試合で18本のホームランを打ち、打率.330、出塁率.439、OPS1.046を記録している。2006年と2011年は、ワールドシリーズ優勝。2011年のワールドシリーズ第3戦は、3打席続けてホームランを打った。
一方、カーディナルスを退団後の10シーズンに、OPS.900以上は皆無だ。2013年以降は、OPS.800以上すらない。
現在の年齢は42歳。かつては三塁や外野も守ったが、現在のポジションは一塁に限定される。カーディナルスにはポール・ゴールドシュミットがいるので、プーホルスが一塁を守る機会はほとんどない。11年ぶりのカーディナルス復帰は、ナ・リーグのDH導入によって実現した、と言っていい。DHの筆頭候補は、1年500万ドルで入団した、左打者のコリー・ディッカーソンだ。プーホルスの役割は、対左投手のDHと代打になるだろう。
昨シーズンの成績は、打率.236、出塁率.284、OPS.717ながら、109試合で17本のホームランを打ったように、パワーはまだいくらか残っている。しかも、対左に限れば、打率.294、出塁率.336、13本塁打、OPS.939だ。また、対右も含めた代打の43打席は、ホームランこそ2本ながら、打率.359、出塁率.395、OPS.908を記録した。
打席に立つ機会は、昨シーズンよりも減りそうだ。例えば、先発出場が50試合と代打出場が75試合で、前者の平均打席を4.5とすると、その合計はちょうど300打席となる。50試合×4.5打席=225打席、225打席+75打席=300打席だ。これなら、昨シーズンの296打席をわずかに上回る。だが、昨シーズン、カーディナルスに対して左投手が先発したのは37試合だ。また、カーディナルスではマット・カーペンターが代打として76打席に立ったものの、これは両リーグで最も多かった。カーペンターは、シーズン全体で249打席。カーディナルスに1850万ドルの球団オプションを破棄され、テキサス・レンジャーズとマイナーリーグ契約を交わした。
となると、プーホルスは、あと21本に迫る、史上4人目の700本塁打には届かない可能性が高い。昨シーズンと同じ17本なら、歴代4位のアレックス・ロドリゲス(696本)に並ぶが、こちらも微妙なところだ。グールドらによれば、プーホルスは「これがラスト・ラン」と語ったという。今シーズン限りで引退するということだ。現時点でバットを置いても、殿堂入りは間違いない。
なお、プーホルスの退団後、カーディナルスの背番号「5」は、誰も使用していなかった。来シーズン以降も、そうなるはずだ。