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「SOHO」の既成概念を覆す新発想の賃貸マンションが登場。その神髄とは

櫻井幸雄住宅評論家
工夫の多い賃貸マンションは、曲線を描く外構部が美しいタイル貼りに。筆者撮影

 三菱地所レジデンスの「The Parkhabio SOHO 祐天寺」は、「分譲超え賃貸」マンションの実例として、今「分譲超え賃貸」マンションが首都圏に増加中。その3つの理由と気になる家賃は?の記事内でも取り上げた。

 その建物には、40年にわたりマンションを見続けてきた私も思わず唸る工夫が多かった。

 たとえば外観デザインに他のマンションと差別化を図る部分が多く、“ただ者ではない”ムードを強く漂わせる。そして、各住戸の間取りには大きな工夫と細かい工夫がちりばめられ、なによりSOHO住戸のつくり方が秀逸だった。

 「分譲超え賃貸」を成立させるために、プロの知恵と腕を存分に駆使している、と評価される。

 そのなかで、わかりやすいのは外観デザインの特徴だろう。

 建物を囲む外構は直線ではなく、曲線を描き、丸みに沿って律儀にタイルが貼られている(タイトルの写真参照)。タイル貼り部分を凝視すると、ラウンドに沿って手作業でタイルを加工し、貼り合わせているのが分かる。これは気が遠くなるような作業だったろう。

 タイル貼りは他の部分でも見事で、円柱に貼られたモザイクタイルは表面を触っても凹凸が感じられず、なめらかな仕上がり。国際基準を満たすプールのタイル貼りを思わせる技術の高さだった。

円柱には、モザイクタイルが滑らかに貼られている。筆者撮影
円柱には、モザイクタイルが滑らかに貼られている。筆者撮影

 そして、バルコニーの手すりも凝っている。

 まず、波打つようなデザインになっているのだが、それだけではない。道路からの視線が気になる2階部分は3階以上よりも柵の間隔を狭くしてある。

 以上は、「The Parkhabio SOHO 祐天寺」において、わかりやすい特徴となる。

 しかし、同マンションの神髄は、間取りとSOHOの新しい工夫にある。その内容を写真とともに解説したい。

最大の特徴は、SOHOの新しい解釈

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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