女王RENAに“完全アウェイ”で完勝の波乱起こした韓国のパク・シウって一体何者?
シュートボクシング世界女子フライ級王者のRENA(レーナ)が2021年大晦日の「RIZIN.33」に参戦。女子MMA(総合格闘技)ルールで行われる注目の一戦の相手は、打撃技を得意とする韓国のパク・シウだった。
試合は一進一退の攻防で、壮絶な打撃戦を繰り広げたが、パクはスピードとパワーで主導権を握り、3-0の判定で勝利。“ツヨカワクイーン”と呼ばれる人気選手のRENAを相手に完全アウェイの中で接戦をものにした。
今回の試合は、レスリング元世界女王の山本美憂(KRAZY BEE所属)とチームメイトでもあるパクにとっては、リベンジの一戦でもあった。
それは11月20日(沖縄)に行われた「RIZIN.32」で山本はRENAに2回TKOで敗れていたから。しかもパクにとってはRIZINデビュー戦であり、練習仲間でもある山本のためにも負けられない戦いだったわけだが、見事リベンジを果たした。
この一戦に賭ける並々ならぬ覚悟が試合でにじみ出ていたのは、そうした背景があったからだろう。
サッカー、テコンドー、キックボクシングを経験
それにしても格闘技ファンならともかく、普段は格闘技を見なくても大晦日だけは見ているという人も多いはずで、「パク・シウって誰?」と思った人もいるに違いない。
1991年6月生まれの30歳。韓国・釜山出身でサッカーを続けていたが、中学3年から大学1年まで国技のテコンドーを習ったという。
大学卒業後にキックボクシングに出会うとメキメキと力をつけ、韓国キックボクシング界で頭角を現すと、その後「TEAM MAD」に練習に行ったことで、総合格闘家に転身。
そこで第2代RIZIN女子スーパーアトム級王者などタイトルを獲得しているハム・ソヒと出会い、2017年に総合格闘家としてデビューした。
韓国と日本を行き来し、総合格闘技団体の「DEEP」と女子総合格闘技イベントの「DEEP JEWELS」を主戦場にしながら戦歴を重ねている。
「思ったより強くなかった」発言は成長の証か
拠点を日本に構えたのは2020年からで、現在はKRAZY BEE所属選手として活動しており、“ポスト ハム・ソヒ”とも呼ばれるほど、韓国格闘技界では期待の星だ。
今回、RIZINという大舞台で勝利し、「(RENAの)印象は思ったよりはそこまで強くなかった。イメージではもっと強敵だった」と余裕ものぞかせる。
MMA(総合格闘技)の戦績を6勝4敗となり、大晦日の一戦で日本にその名が少しは知れ渡ったようだが、敗れたRENAもこのまま黙っているわけがない。ダイレクトリマッチを希望しているというが、今後の展開が楽しみだ。