Yahoo!ニュース

エンジェルスのAAAで4年続けて出塁率4割以上の内野手がブルージェイズへ。ブレイクのチャンスは!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・ステファニック(左)とジャレッド・ケルニック Aug 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、マイケル・ステファニックは、ロサンゼルス・エンジェルスを退団した。40人ロースターから外され、FAになることを選んだ。

 すでに、次の球団は決まっている。ステファニックは、インスタグラム(mjstefi)にトロント・ブルージェイズのロゴを載せ、エンジェルスに対する感謝の気持ちとともに、ブルージェイズに入団したことや決意を綴った。ステファニックの代理人、クラッチ・スポーツのネイト・ハイズラーによると、マイナーリーグ契約だ。ちなみに、ステファニックは、ドラフトにはかかっていない。2018年7月に、エンジェルスと契約を交わした。

 来年2月に、29歳の誕生日を迎える。これまで、メジャーリーグでは、2022~24年に出場90試合。打率.232と出塁率.317、OPS.591を記録した。ホームランはなく、マイナーリーグの通算本塁打も、465試合で31本に過ぎない。2021年に、AAとAAAの計125試合で17本塁打。それ以外のシーズンは、いずれも5本以下だ。

 だが、AAAでは、ここ4シーズンとも、打率.310以上と出塁率.400以上を記録している。2021年が104試合で打率.334と出塁率.408、2022年が77試合で打率.314と出塁率.422、2023年が99試合で打率.365と出塁率.463、2024年は40試合で打率.389と出塁率.456だ。

 ポジションは、メジャーリーグでもマイナーリーグでも、二塁をメインとしてきた。メジャーリーグでは、三塁と登板の経験もあり、マイナーリーグでは、それらに加え、遊撃と一塁と外野両コーナーの守備にもついているが、いずれも、二塁と比べると、かなり少ない。

 2024年に、ブルージェイズで二塁を守った選手は、8人を数えた。二塁手として先発出場40試合以上は、皆無だった。三塁も、7人が守備についた。両方を守った選手が3人いるので、2ポジションで12人だ。二塁と三塁のレギュラー、特に二塁は、今のところ、確定していない。エンジェルスは、二塁が9人、三塁が11人、計14人なので、ブルージェイズよりも多かったが、二塁には、ルイス・レンヒーフォがいる。また、怪我が多いとはいえ、アンソニー・レンドーンは、三塁の筆頭候補だ。

 どんぐりの背比べのような気もするが、来シーズンもブルージェイズの二塁と三塁が定まらなければ、ステファニックにもチャンスが巡ってくるかもしれない。

 来春のスプリング・トレーニングには、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として参加すると思われる。そこで結果を残せば、レギュラーではなくても、開幕ロースター入りの可能性も出てくる。

 これまで、ステファニックは、メジャーリーグで開幕を迎えたことがない。2023年と2024年は、スプリング・トレーニングで出塁率.420以上を記録していたので、2度とも、背中を痛めていなければ、開幕ロースターに入っていてもおかしくなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事