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76ersの新指揮官

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニック・ナースがフィラデルフィア・セブンティシクサーズの新監督となった。2020年の最優秀監督賞を受賞したナースは、それまでの5シーズンをトロント・ラプターズのヘッドコーチとして過ごしていた。彼は2019年にラプターズを初の優勝に導いている。

 現在、3年連続でプレイオフ東地区セミファイナル敗退中のフィラデルフィアは、2001年以来のファイナル進出をナースの手に委ねたのだ。

76ersの大黒柱、エンビード
76ersの大黒柱、エンビード写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズファンにとってナースは、憎き司令官だった。2019年、ナース率いるラプターズは、カワイ・レナードの最終戦ブザービートでノックアウトされている。

フィラデルフィアでどんな手腕を発揮するか
フィラデルフィアでどんな手腕を発揮するか写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 フィラデルフィアには、NBA屈指のセンターであるジョエル・エンビードがエースとして君臨しているが、相棒のジェームズ・ハーデンはFA権を得て古巣のヒューストンに戻るとの噂が絶えない。また、昨シーズンのシクサーズは、エンビードがベンチに下がると思いのほか脆さを見せた。

ジェームズ・ハーデンは残るのか
ジェームズ・ハーデンは残るのか写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 NBAで最高レベルの指導者であるナースは、ゲーム中に的を得た微調整を行い、守備の天才として知られる。

 ナースは語った。

 「フィラデルフィア・セブンティシクサーズのヘッドコーチに任命されたことを光栄に思います。この素晴らしい機会を与えてくれたジョッシュ・ハリス、デビッド・ブリッツァー、そしてオーナーグループに感謝します。

 私はこの5年間、敵チームの指揮官としてシクサーズを相手にすることが非常に楽しかった。毎回、挑戦でしたよ。私はシクサーズをコーチし、フィラデルフィアの素晴らしいファンのために自分の役割を果たすことを心待ちにしています」

ナースが指揮を執っていた頃のラプターズvsシクサーズ
ナースが指揮を執っていた頃のラプターズvsシクサーズ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズのマネージング・パートナーのジョッシュ・ハリスも言った。

 「ニックはNBA最高監督の一人として確固たる地位を築いており、彼をフィラデルフィアに迎えることに、とても興奮しております。ニックはトロントを2019年にNBA王者に導いただけでなく、複数のレベルで勝利を収めた人です。彼は賢く、革新的で、決断力があります。

 どのような壁にぶち当たっても、我々の目標はフィラデルフィアに優勝をもたらすことに変わりは無いのです。ニックが、我々を前進させるに相応しい監督であることは間違いありません」

 今回のサマーリーグを2勝3敗としたシクサーズ。ニック・ナースの采配で、どのように変わっていくか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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