Yahoo!ニュース

シャープな美貌の若手女優・加藤小夏が『取り立て屋ハニーズ』でドラマ初主演。体を張ったアクションも

斉藤貴志芸能ライター/編集者
ドラマ『取り立て屋ハニーズ』に主演している加藤小夏

シャープな美貌で目を引き、大器と目される女優の加藤小夏が、連続ドラマ『取り立て屋ハニーズ』(dTVチャンネル、ひかりTVほか)でトリプル主演を務めている。闇金の三姉妹の次女役で、借金を踏み倒そうとする客から容赦なく取り立てをする。ひょうひょうとしながらアクションも見せて、初主演は大きなステップアップになりそうだ。

自分なりのムードメーカーになろうと

――トリプル主演に抜擢された『取り立て屋ハニーズ』ですが、まず脚本を読んで、どう思いました?

加藤 私が演じるシズカはすごく変わっているなと思いました。母親がいない子なのに、どうしてこんなにあっけらかんと生きていけるんだろうと。でも、後半で芯の強いところも見えてきて、いろいろな演じ方が考えられます。取り立てもアクションだけなく、いろいろな方法で追い詰めていくので、「あれをやりたい。これもやりたい」と想像が膨らみました。やり甲斐がすごくありますね。

――シズカのそういうキャラクターは、小夏さんにハマりました?

加藤 最初に監督さんから「明るいムードメーカー」と言われたのを、表面的に捉えてしまって、クランクインした日は難しいなと思いました。どうやって明るくすればいいのかわからなくて、おちゃらけてみたりしたんですけど、シズカが生き生きしていない気がして。それで2日目からは、私なりにシズカっぽい部分を強調したら、スンと役になれました。

――どんなことを強調したんですか?

加藤 ムードメーカーもいろいろあるじゃないですか。ただキャッキャするのでなく、人にちょっかいを出したり、相手のリアクションにちゃんと応えたり。何でも屋のチャコ(弓木奈於)がポップな子で、ヘンなことをしていたら、一緒にキョロッとした表情もしたり。三姉妹のお姉ちゃんと妹がしっかり者なので、私はパキパキしないで、場を和ませるようにしています。シズカは頭脳より体力勝負という感じなので。

『取り立て屋ハニーズ』に出演している加藤小夏、高橋ユウ、掛橋沙耶香、弓木奈於(左から)
『取り立て屋ハニーズ』に出演している加藤小夏、高橋ユウ、掛橋沙耶香、弓木奈於(左から)

ヌンチャクを使ったり回し蹴りをしたり

――アクションもあるんですよね?

加藤 ヌンチャクを初めて使いました。現場で撮影直前に教わって、必死に練習したんですけど、「こう振れば、こう動く」って教え方が上手だったので、何とかできました。

――殴ったり蹴ったりも?

加藤 回し蹴りをしました。結構体幹を使って、自分ではできたつもりでも、カメラで撮ったら、きれいに映ってなかったりして、めっちゃ筋肉痛になりました。次の日は歩くのも大変で、マネージャーさんに「置いてかないで!」と言ってました(笑)。

――普段は運動はしてないんですか?

加藤 ダンスを11年やってましたけど、ここ数年は体を動かすことが全然少なくなりました。まだ撮影があるので、もっと鍛えておかないと。

『取り立て屋ハニーズ』より
『取り立て屋ハニーズ』より

現場では三姉妹にフンワリした空気が流れていて

裏社会に生きる美人三姉妹が主人公の『取り立て屋ハニーズ』。長女の丹羽レイカを高橋ユウ、次女のシズカを加藤小夏、三女のリリカを掛橋沙耶香(乃木坂46)が演じている。闇金に借金を返済しない輩を地獄へ突き落し、悪質な債務者らから華麗に取り立てていく。

――ハニーズの取り立ては毎回、あの手この手ですね。

加藤 描かれてはいないんですが、1から10まで、きっちり作戦を立ててやっているんだろうなと。「そういうふうに取り立てるんだ!」と考えると、すごく面白いです。シズカは取り立てをゲーム感覚で楽しんじゃってます。体力があって最終的には力を使えて、「さっさと終わらせよう」みたいな性格でもあって。リリカちゃんがパソコンでハッキングしていると、シズカはそこでは何もできないので、ヘラヘラしながら見守ってます(笑)。

――三姉妹で和む場面もありますか?

加藤 そうですね。シズカはリリカちゃんのことがすごくかわいくて、いじりたくなっちゃって、レイカ姉のことはすごく頼りにしていて、いい関係性で和んでます。私には兄はいるのですが、姉妹だとどんな感じだろうかと探ってました。現場で役になってないところでも、3人は自然と姉妹っぽい雰囲気になれてました。

――高橋ユウさん、掛橋沙耶香さんとすぐ馴染めたんですか?

加藤 まず高橋さんが声を掛けてくださって、話しやすかったです。掛橋さんも「小夏さん!」みたいな感じで、かわいらしく話し掛けてくれるので、最初からフンワリした空気が流れていました。

――小夏さんは元乃木坂46の若月佑美さんと共演したことがあって、今回も現役メンバーの掛橋さん、弓木奈於さんと共演になりました。

加藤 これを機に、乃木坂46さんの4期生の動画を、YouTubeでめちゃめちゃ観てます。本当にかわいくて、アイドルってすごいなと思いました。弓木さんも素でいるときから、チュルン、キラキラみたいな感じで(笑)、しゃべり方も「アイドルってこうなんだな」と。でも、チャコになりきると、違うキラキラというか。そこの印象が強いです。

自分のマネージャーを観察して役作りしました

――シズカは昼間は芸能事務所のマネージャーで、イケメン俳優を担当しています。

加藤 自分のマネージャーさんを観察しました(笑)。シズカは担当している深瀬真くんという残念なイケメン俳優に、厳しく当たっているんですね。ほっとけないけど、あえて冷たくして、成長させようとしているのを意識しています。

――小夏さんもマネージャーさんに冷たくされているんですか(笑)?

加藤 全然冷たくされたことはなくて、やさしく扱ってもらってます(笑)。でも、私のお芝居を見るときは真剣で腕を組んでいたりするので、ちょっとした仕草を取り入れて、厳しくて仕事ができるマネージャーぶりを表現できたらいいなと。

――年齢は26歳の設定なんですよね。

加藤 私より5歳上です。でも、監督さんと初めてお会いしたとき、「ちょっとマスクを外して」と言われて顔を見せたら、「全然26歳で行けるね」と言われました。そこは普通にしていれば大丈夫と、自信を持ってます。

――確かに、大人っぽい顔立ちですからね。今回はドラマ初主演ということで、「ついに来た!」という感じですか?

加藤 そこは全然意識してません。ありがたいことで、迷惑を掛けないように全力でやらせてもらってます。いつも目の前のことを頑張るタイプなので。

『取り立て屋ハニーズ』より
『取り立て屋ハニーズ』より

自分の演技を放送で観て「あざといな」と(笑)

――演技力を磨くために、普段やっていることもありますか?

加藤 前は現場で考えることが多かったんですけど、最近は家で台本を読んで、めちゃくちゃ想像して、いろいろな演技のパターンを用意しておきます。自分の考え方が違ったとき、すぐ対応できないと怖いので、そのほうが安心なんです。あとは、日ごろから映画を観たり、本を読んだりしています。

――刺激になった映画はありました?

加藤 池脇千鶴さんの『ジョゼと虎と魚たち』です。最近、昔の作品を観ていて。

――池脇千鶴さんは最近もドラマで演技力を改めて評価されましたが、昔からすごかったですよね。

加藤 自分が同じ女優と名乗っていいのかと思ってしまうくらい、素晴らしいです。あとは『ゆれる』とか、新しい作品だと『ヤクザと家族』を観たり、洋画も観るようになりました。勉強のつもりなのが、シンプルに楽しんじゃうこともありますけど、映画を観ていろいろ考えて、頑張らなきゃと思います。本だと、村上春樹さんの『風の歌を聴け』を読んだりしました。

――最近の出演作で、自分にとって大きかったものは?

加藤 いろいろありますけど、ニコレットのウェブCMは芝居劇みたいな感じで、四角い枠の中に出てきて消えて、ちょっと会話があって楽しかったです。あと、『年下彼氏』では、すごくあざといシーンがあって。「バイバイ」って、一瞬手を振るところを放送で自分で観て、「こいつ、あざといな」と思いました(笑)。

――あざとく演じようとはしたんですよね?

加藤 役としてかわいく見られようとしたのが、すごくあざとくなってました(笑)。そこは好きなシーンです。普段はあざとさは、あまり出したくないんですけど(笑)。

――あれこれあって、演技への自信も高まってます?

加藤 基本的に自信はそんなにないタイプですけど、演じていて、少しずつ気持ちが楽になる感覚はありますね。

サンミュージック提供
サンミュージック提供

ずっと野菜を食べられなかったのが急に好きになって

――小夏さんは最近、アパレルブランド『ForWe』を立ち上げました。

加藤 そうなんです。服はずっと好きで、理由がなくても、いろいろなお店に見に行ってたので、ブランドのプロデュースは念願で、すごくうれしかったです。

――販売している服は、写真で見るとサラッとしている感じですね。

加藤 オーガニックコットンとかで、着心地の良さにはすごくこだわりました。長く使ってもらいたいので。あとは色味。ありそうでなかった感じで、着てみたくなるようなものにしています。パンツは特にそう。男女誰でも着られるようにもしたかったんです。

――『取り立て屋ハニーズ』では、シズカは“よく寝てよく食べる健康優良児”となってますが、小夏さんは野菜を食べられないんですよね?

加藤 食べられるようになったんですよ! 今、野菜をめっちゃ食べてます。

――3年前、18歳の頃には「野菜を食べられないのはもう仕方ない」と話してましたが、いつから食べられるように?

加藤 1年半くらい前ですね。きっかけは、食材大百科みたいなブ厚い本を買って、野菜のページで栄養素とか見ていたんです。これから先も健康でいるためには食べなきゃいけないと思って、食べ始めました。

――20年くらい食べられなかったものが、急に平気になったんですか?

加藤 最初はちょっと無理やりでした。白菜あたりから始めて。でも、今はちゃんと食べられるようになりました。もう食べられない野菜は、ほぼありません。

――舌が大人になってましたかね。サラダとかで食べているんですか?

加藤 サラダも、ナスの煮びたしや煮物も好きです。今はむしろ、野菜がないとダメ。食べられないと思っていた昔の私に怒ってあげたい(笑)。人間って不思議ですね。自分で煮物とかも作ります。

――健康にもなりました?

加藤 はい。いつも元気で、体調を崩すことも減って、風邪はほとんどひきません。いいことばかりです。

――最後に改めて、今後の『取り立て屋ハニーズ』のシズカ的な見どころを。

加藤 アクションもですけど、取り立て屋をしているのには背景があって、母親がいないことが大事な軸になってきそうです。取り立てシーンは面白さもあるので、単純に楽しんでもらいたいし、三姉妹の関係性もかわいらしかったり、カッコ良かったりします。その中でシズカは、ひょうひょうとしながらしっかりしているところや、真ん中の次女っぽい独特なところがあるので、その辺も見ていただけたらと思います。

Profile

加藤小夏(かとう・こなつ)

1999年6月26日生まれ、東京出身。

中学1年でスカウトされて芸能界入り。主な出演作はドラマ『I’’s』、『父と息子の地下アイドル』、『メンズ校』、映画『踊ってミタ』など。20社以上のCMにも出演。

『取り立て屋ハニーズ』

dTVチャンネル、ひかりTV ほか

金曜23時~配信

公式HP

『取り立て屋ハニーズ』より
『取り立て屋ハニーズ』より

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

斉藤貴志の最近の記事