明治大学、帝京大学に快勝して何を思った?【ラグビー旬な一問一答】
大学選手権2連覇を目指す明治大学は、11月24日、加盟する関東大学対抗戦Aの第6戦目で一昨季まで同選手権9連覇中の帝京大学に40―17で快勝(東京・秩父宮ラグビー場)。相手のタフな防御を多彩なオプションで崩し、陣地獲得のキックや相手キックを受けてのカウンターアタックでも際立った。
試合後、田中澄憲監督と武井日向キャプテンが会見した。
以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。
田中
「勝つことができて嬉しく思います。特にフォワード。きょうはフォワードがキーになると思っていましたので、フォワードがしっかり頑張ってくれたことが勝利に繋がったと思います。
明治大学に来て3年目(ヘッドコーチ時代も含む)。数年前はこういうゲームができるとは想像していなかったんですけど、しっかり目的、目標を持ってやるべきことをやれば結果が出ると、私自身も、学生も理解というか、気づけたことも、大きな自信になったと思います」
武井
「準備したことをやりきったことが勝ちにつながったのはいいと思うんですけど、後半の入り(先手を取られた)だったり、まだまだ課題は残る。帝京大学戦のことは忘れて、きょうから準備していきたいです」
――前半20分の自身のトライシーンについて。
武井
「トライとかは意識していなくて、前が空いたんでちょっとでも前に運ぼうという意識でトライまで行けたのはよかったと思います」
――チームがカウンターアタックを仕掛けるなか、パスダミーと鋭いステップで約50メートルの距離を独走しました。
武井
「その時の判断というか。外にも(味方の)選手がいたのですが、目の前が空いていて、外側のディフェンスがかぶり気味だったので、判断して。(ステップを切った)最後の1対1もそんな感じです。判断です」
田中
「もともとナンバーエイトなのでスキルもそうですし、まぁ、意外と足が速いんだなとは感じました。でも、アンストラクチャーの状態からひとりひとりがいい判断をした。あれはたぶん、山村(知也)が(タックラーとぶつかる)寸前で(隣の武井に)パスをした。武井は来ると思っていなかったと思うんですけど、よくキャッチしたなというところです」
武井
「アンストラクチャーの状態からのブレイクダウン(接点)が鍵になると思っていた。帝京大学さんはああいうところで圧力をかけてくる。(山村が倒された場合に備えて)サポートに行った結果、ボールをもらえた。サポートをしてよかった」
――箸本龍雅選手、雲山弘貴選手の成長について。
田中
「箸本は成長への意欲が高い選手なので、今年は常にその取り組みが特に見られるようになってパフォーマンスに繋がっている。雲山は去年の早明戦が1年生でいきなり初先発、彼なりに苦い経験をしていると思うんです。その経験を活かして、2度とそうした苦い経験をしたくない思いで取り組んでいる。もともとポテンシャルが高いのですが、意識の向上をパフォーマンスに繋げていると思います」
――帝京大学の防御、どう攻略した。
武井
「フィジカルの部分は僕らも自信にしているので、1対1でちょっとでも前に出たり、ブレイクダウンの質の部分にこだわったりして、帝京大学さんのディフェンスが崩れたところを狙うというか。フィジカルがよかったと思います」
――これから先、何を高めたいか。
武井
「いい部分はあると思いますが、セットプレーも含め、まだまだ武器になり切れていない。追求できる。チームとしてはリアクションの部分。ミスボールが相手に渡って流れが悪くなったところもあるので、ディテールを追求していきたい」
田中
「ディテールにもっとこだわらなきゃいけないですし、あとは個人の判断。山崎(洋之、崎は山に竒)が外を抜きに行ってタッチの外に出ることが2回もあって、児玉(樹)がキックを蹴ろうとしてチャージされて相手のトライに繋がったりも。ああいうことはファイナルゲームになると命取りになる。ディテール、判断、意思統一を高めていきたい」
かくしてチームは12月1日、早稲田大学との対抗戦最終戦(早明戦)に全勝同士で挑める。
田中
「ワクワクする部分は僕もそうですし、選手もそうだと思います。特に今年、早稲田大学さんの充実ぶりが見られる。去年も明治大学は負けていますし、しっかりその場に立てる喜びを感じながら、ふさわしい試合をしたいと思っています」
武井
「こういう機会はあまりないので楽しみですけど、僕らはまだチャンピオンになっていない。チャンピオンになったのは去年のチームなので、ハングリーに戦っていきたいです」