セリエAの「1年で最も価値が落ちた選手」ランキング、上位にユーヴェ勢 吉田麻也は1億ダウン
選手の市場価値が下がる理由は様々だ。もちろん、単純にパフォーマンスが悪ければ価値は落ちる。ただ、年齢や残り契約年数もダウン要素で、コロナ禍のような環境要因もある。
つまり、市場価値の低下は、選手の出来とは必ずしもイコールでない。それでも、1年間の下げ幅が大きければ、やはりそのシーズンは低調だったということも少なくないだろう。
移籍情報サイト『Transfermarkt』が先日、セリエA選手の市場価値を更新した。2020年7月1日からの約1年間で、最も市場価値を高めたのがフランク・ケシーだったのは、既報のとおりだ。
反対に、最も市場価値を下げたのは、クリスティアン・エリクセンだった。6800万ユーロ(約90億6000万円)から4000万ユーロ(約53億3000万円)と2800万ユーロ(約37億3000万円)の下げ幅だ。
2020年1月にトッテナムからインテルに移籍して以降、エリクセンは今季途中まで新しい環境とアントニオ・コンテのシステムに馴染めず、プレミアリーグ時代の輝きを失っていた。加入前に9000万ユーロ(約120億円)だった市場価値は、2020年12月で3500万ユーロ(約46億6000万円)まで下がっている。その後、シーズン半ばからは定位置を手に入れ、2021年5月の改定で市場価値は4000万ユーロに回復したが、いずれにしても大きな下げ幅となった。
一方で、下げ幅ランキングでエリクセンに続いたのは、王座から10年ぶりに陥落したユヴェントスの選手たちだ。2位から8位まで7選手が“老貴婦人”の面々となった。得点王に輝いたクリスティアーノ・ロナウドも含まれている。『Transfermarkt』によると、年齢などを考慮した結果のようだ。
以下、下げ幅が1000万ユーロ超と大きかった選手たちをリストアップしてみよう。
1位:クリスティアン・エリクセン(インテル)
-2800万ユーロ(約37億3000万円)
2位:パウロ・ディバラ(ユヴェントス)
-2200万ユーロ(約29億3000万円)
3位:アレックス・サンドロ(ユヴェントス)
-2000万ユーロ(約26億6000万円)
4位:アルトゥール(ユヴェントス)
-1600万ユーロ(約21億3000万円)
5位:クリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス)
-1500万ユーロ(約20億円)
6位:アーロン・ラムジー(ユヴェントス)
1400万ユーロ(約18億6000万円)
7位:フェデリコ・ベルナルデスキ(ユヴェントス)
1300万ユーロ(約17億3000万円)
8位:レオナルド・ボヌッチ(ユヴェントス)
-1200万ユーロ(約16億円)
9位:ヨシップ・イリチッチ(アタランタ)
-1150万ユーロ(約15億3000万円)
10位:アレッシオ・ロマニョーリ(ミラン)
-1100万ユーロ(約14億6000万円)
10位:ステーファノ・センシ(インテル)
-1100万ユーロ(約14億6000万円)
10位:ドリース・メルテンス(ナポリ)
-1100万ユーロ(約14億6000万円)
10位:ラジャ・ナインゴラン(カリアリ)
-1100万ユーロ(約14億6000万円)
14位:マティアス・ベシーノ(インテル)
-1050万ユーロ(約14億円)
15位:ジェラール・デウロフェウ(ウディネーゼ)
-1000万ユーロ(約13億3000万円)
なお、サンプドリア所属の吉田麻也は、今回の改定で市場価値320万ユーロ(約4億3000万円)となった。昨年7月1日からは80万ユーロ(約1億1000万円)のダウン。下げ幅ランキングでは、全体の160番目タイだった。
C・ロナウド同様、吉田の査定も年齢や契約年数が大きく考慮されたと想像できる。ベテランが市場価値を高めるのは難しく、彼らの評価基準は別にあると言えるだろう。
一方で、上位には、ディバラを筆頭に期待を下回った選手たちが少なくないのも確かだ。ただ、彼らは巻き返すことができる。カルチョの世界は極端だ。周囲の手のひら返しは日常茶飯事。来季の彼らに期待したい。