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寒い師走入り

饒村曜気象予報士
北日本を中心とした冬型の気圧配置(11月26日9時の予想天気図)

霜月の三連休

 日本の月の異名は旧暦で呼ばれていたもので、睦月(1月)、如月(2月)、弥生(3月)、卯月(4月)、皐月(5月)、水無月(6月)、文月(7月)、葉月(8月)、長月(9月)、神無月(10月)、霜月(11月)、師走(12月)です。

 このうち、11月の霜月は、「寒さがさらに進んで霜が降りる」ということからきていると云われています。

 令和2年(2020年)11月21日~23日は、勤労感謝の日(11月23日)を含む三連休でしたが、北から寒気が南下し、霜月の言葉通りに全国的に寒くなりました。

 三連休の直前は、南から暖気が入って記録的な高温となり、11月19日は気温を観測している920地点のうち253地点(28パーセント)が最高気温25度以上という夏日になっています(図1)。

図1 夏日と冬日の観測地点数(11月13日~25日)
図1 夏日と冬日の観測地点数(11月13日~25日)

 このため、三連休に気温が低下し、最低気温が氷点下未満の冬日となった観測地点が約20パーセントとなったときには非常に寒く感じた人が多かったと思います。

 ただ、気温が低下して非常に寒く感じたといっても、これで平年並みの寒さです。

強い寒気の南下

 三連休から続いた寒さは、11月26日には小休止で、ほっとした暖かさになりますが、今週末から来週にかけて、強い寒気が南下してきます。

 南下する寒気の目安として、上空約5500メートルの気温が使われます。

 この気温が氷点下30度以下なら強い寒気、氷点下36度以下なら非常に強い寒気です。

 これまで北海道までしか南下していなかった氷点下30度以下の寒気が東北地方まで南下し、初めて氷点下36度以下の寒気が北海道まで南下する見込です(図2)。

図2 上空約5500メートルの気温予想図(11月30日夜)
図2 上空約5500メートルの気温予想図(11月30日夜)

 東京の最高気温は、11月19日に24.9度と9月下旬並みの暖かさでしたが、11月25日には11.9度と12月中旬並みの寒さとなっています(図3)。

図3 東京の最高気温と最低気温(11月26日から12月2日は気象庁、12月3日から11日はウェザーマップの予報)
図3 東京の最高気温と最低気温(11月26日から12月2日は気象庁、12月3日から11日はウェザーマップの予報)

 東京では、6日間で13度も下がりましたが、今後の予報をみると、最高気温はほぼ平年並みの気温で、最低気温は平年より低い気温で推移する予報です。

 

 そして、先生も走るといわれるほど忙しい師走(12月)は、日本海側の地方は雨か雪、太平洋側の地方は晴れるという、冬に多い天気分布で、気温は平年より寒く始まりそうです(図4)。

図4 各地の師走入りの日(12月1日)の天気予報
図4 各地の師走入りの日(12月1日)の天気予報

タイトル画像の出典:気象庁ホームページ。

図1の出典:ウェザーマップ資料をもとに著者作成。

図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図3の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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