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吉田正尚が球宴ファン投票のファイナリストになれなかったのはおかしい!? 打率は4位、出塁率は7位

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚(ボストン・レッドソックス)May 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オールスター・ゲームに先発出場する野手は、2段階のファン投票によって決まる。 ア・リーグの外野手部門は、フェイズ1の得票が多かった6人が、ファイナリストとしてフェイズ2へ進む。そのなかに、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)は入っていない。

 吉田の打率.304は、ア・リーグで規定打席以上の73人中、4番目に高い(6月22日時点)。出塁率.375は、.377の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ7位。OPS.854は9位だ。

 この3部門ともア・リーグ・トップ10に入っている他の2人、タンパベイ・レイズのヤンディ・ディアズランディ・アロザレイナは、それぞれ、一塁手部門と外野手部門のファイナリストになっている。ディアズは、打率.309が3位、出塁率.398が2位、OPS.914は3位。アロザレイナは、打率.298が8位、出塁率.412が1位、OPS.912は4位だ。

 ア・リーグ外野手部門のファイナリストには、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、マイク・トラウト(エンジェルス)、アロザレイナ、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)、ケビン・キアマイアー(トロント・ブルージェイズ)、アドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)が名を連ねる。この6人のうち、フェイズ2の得票が多い3人が、ファン投票選出となる。

 ジャッジとトラウトは、ビッグネームだ。フェイズ1の投票が始まる前から、ファイナリストの6枠中2枠は、ほぼ確定していたと言っていいかもしれない。

 また、アロザレイナとアルバレスの出塁率とOPSは、吉田より高い。

 一方、ガルシアとキアマイアーの出塁率とOPSは、吉田よりも低い。

 ただ、ガルシアは、16本のホームランを打っている。吉田のちょうど2倍だ。

 キアマイアーは、センターを守り、どちらも外野手リーグ1位のDRS+13とOAA+9を記録している。吉田のDRSとOAAは、-5と-3だ。ポジションはレフトなので、キアマイアーとの守備の差はさらに大きいという見方もできる。

 吉田は、ファイナリストになってもおかしくなかったが、ファイナリストになれなかったのも、おかしいというほどではない気がする。

 ア・リーグの外野手では、リーグ・トップの打率.332を記録しているオースティン・ヘイズ(ボルティモア・オリオールズ)も、フェイズ2に進めなかった。ヘイズの出塁率.362は12位、OPS.882は5位。ホームランは、吉田と同じ8本だ。

 ルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)もそう。こちらは、リーグ3位の18本塁打に加え、センターを守り、DRSもOAAも+8を記録している。打率.263と出塁率.322は31位と44位だが、OPS.855は8位だ。

筆者作成
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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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