長崎の平和祈念式典、台風接近で岸田総理が欠席はミスリード。市側が安全確保のため全ての参列を中止
台風6号の接近にともない、岸田総理が長崎市の平和祈念式典を欠席することを「台風くらいで欠席」と批判するツイートが『X(Twitter)』にいくつか投稿されていますが、これはミスリードです。
「台風くらいで欠席するな」と岸田総理に批判集まる
この問題は8月6日、台風6号が接近しているため9日に予定されている長崎市の平和祈念式典に岸田総理が欠席するという報道から始まります。
後述しますが、岸田総理の欠席は長崎市側が招待を中止したためですが、いくつかの報道でこの部分が省略され、単純に「台風接近を理由に岸田総理が平和祈念式典に欠席することになった」と伝えられたため、『X(Twitter)』で岸田総理に対する批判が集まることとなりました。
しかし、この欠席は岸田総理側が決めたことではありません。
長崎市側が安全確保のため全ての参列を中止
長崎市が8月6日に公開したページを見るとわかりますが、台風6号の接近にともない長崎市側が、「参列者の安全確保のため、来賓者、式典出場者及び被爆者・遺族の代表者のほか、事前申込みをいただいた方や自治体など全ての参列を中止」しており、「安全確保ができる範囲で、原則、主催者(長崎市)のみで」行うことを決定したとのことです。
また、会場も屋外の平和祈念式典式場ではなく屋内の出島メッセ長崎へと変更されています。
この参列の中止には一般参加者も含まれるため、日経新聞によると多くの被爆者も今年の平和祈念式典には出席できなくなったとのことです。
非常に残念なことではありますが、万が一のことを考えると安全確保の方に重きを置いた長崎市側の判断は正しいと思います。
また、今回の岸田総理の欠席について議論するのであれば、市側の中止要請に対してムリを通すべきだった、要請には従いつつも取れる行動をするべきだったなど、正しい情報に基づいて意見をしなければ建設的なものとはならないでしょう。