ザッケローニは本当に原博実が望んだ監督だったのか
「方向性は間違っていない」
ネットでニュースの見出しなどを眺めていると、こうした意見がよく目に止まる。方向性とは、ザッケローニの路線を指すもので、「それは間違っていない。継承されるべき」と述べているわけだが、そうした意見を持つ人たちは、ザッケローニの路線は何だったと結論づけているのだろうか。そのどんな所を、継承したがっているのか。
僕の知る限り、ザッケローニは自ら「このようなサッカーがしたい」と、明確に口にしたことがない。サッカーゲームの戦い方について、拘りのある言葉を吐いたことがない。なにより、サッカー観を刺激してくれるような語録がない。
「スピードに乗った、インテンシティのあるサッカーを展開していこうと、チームづくりを進めてきた。そういう意味でやってきたことは間違ってなかったと思うし、今後もこの4年間の方向性を継続して進んでいくべきだと思っている」とは、退任会見で語られた彼の台詞だが、なぜか、最後になって頻繁に使われるようになった「インテンシティ」という言葉にしても、あまりに抽象的だ。言葉足らず。説明不足。なんでも分かろうとしてくれるシンパに向けた言葉と言うべきで、少なくとも、人に何かを伝えたがっている人が用いる台詞ではない。
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たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年7月
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