睡眠の質を上げるには日光浴!室内にいながら快眠に十分な日光浴は可能か、実際に測定してみた
真夏日、猛暑日が続くこの時期は、外出を避け、おうち時間が増える方が多いのではないでしょうか?朝から晩まで室内で過ごしているという方も少なくないかもしれません。
一方で、快眠を得るためには日光を浴びることが推奨されています。屋外に出ずとも、室内で質の良い睡眠のために必要な日光の明るさを得られるのか、実際に測定してみました。
・質の良い睡眠のために必要な明るさとは
質の良い睡眠を得るには、朝に光を浴びる必要があります。朝の光によって、夜に睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、自然な眠気と質の良い睡眠が得られます。
この時必要な光の明るさ(照度)は、諸説ありますが約2,500ルクス以上といわれています。「2,500ルクス」と聞いても、どの程度の明るさなのかわかりませんよね。一般的な室内の照明では2,500ルクスの明るさには届かないでしょう。2,500ルクスの光を浴びるためには、太陽の光が必要です。
毎朝、外に出て日光浴する生活ができれば理想ですが、忙しい朝は時間がなかったり、在宅ワークだったり、暑さで外出が難しかったりと、いろいろな理由で外出できない場合もあるでしょう。室内にいながら、質の良い睡眠に必要な明るさを得られれば最高です。
・実際に測定してみた[まずは屋外]
明るさ(照度)を測定できるアプリをスマートフォンに入れ、測定しました。
8月上旬、晴れの日、曇りの日での測定結果です。
・屋外(晴れ)
いい天気の日、まずは屋外で測定したところ194,343ルクスでした。
質の良い睡眠を得るには、十分な明るさといえるでしょう。ただこの日差しと暑さでは、日傘が欲しいところですし、熱中症警戒アラートが発表されていました。
・屋外(曇り)
曇りの日、屋外で測定したところ12,781ルクスでした。
夏らしい日差しは全く感じられない天候でしたが、数値的には質の良い睡眠を得るのに十分な明るさといえるでしょう。太陽が照っていない日でも、明るさ的には問題ないようです。
・実際に測定してみた[室内3か所]
次は室内で照度を測定していきます。
8月の晴れた日と曇りの日、南向きの窓のあるお部屋で測定します。
・室内❶窓際(晴れの日)
晴れの日の窓際で測定したところ、17,033ルクスでした。
屋外と比べると照度は落ちますが、質の良い睡眠に必要とされる目安の2,500ルクスを十分クリアしていました。
・室内❶窓際(曇りの日)
曇りの日の窓際で測定したところ、8,418ルクスでした。
屋外、また晴れの日と比べると照度は落ちますが、質の良い睡眠に必要とされる目安の2,500ルクスをクリアしていました。
やや暗いと感じる曇りの日でも、照度的には十分な明るさです。
・室内❷窓から1m内側(晴れの日)
晴れの日の窓から1m離れた場所で測定したところ、5,163ルクスでした。
窓際と比べると照度は落ちますが、それでも質の良い睡眠に必要とされる目安の2,500ルクスを十分クリアしていました。
・室内❷窓から1m内側(曇りの日)
曇りの日の窓から1m離れた場所で測定したところ、4,060ルクスでした。
窓際、また晴れの日と比べると照度は落ちますが、それでも質の良い睡眠に必要とされる目安の2,500ルクスをクリアしていました。
やや暗いと感じる曇りの日でも、窓際1mの場所は照度的には十分な明るさがありました。
窓際スペースへテーブルを置いて朝食をとったり、ラウンジチェアを置いて朝のコーヒーを飲みながら過ごしたりするだけで必要な照度を得られるといえるでしょう。夜は快眠が期待できそうです。
在宅ワークの方は、デスクを窓際へ配置するレイアウトもおすすめです。
・室内❸窓から離れた室内
窓から離れた場所で、一般的なシーリングライトを点灯させて測定したところ、247ルクスでした。日光の届かない室内の場所では、快眠のための目安の2,500ルクスには達していませんでした。
生活するには全く問題ない明るさでしたが、質の良い睡眠を得るためには不十分な明るさの環境といえます。
朝は外出せず室内で過ごす場合、日光の届かない室内の場所で過ごしていては、夜にメラトニンが十分に分泌されず睡眠の質は低下してしまうことが予想されます。朝は意識的に窓際で過ごしたり、窓際で過ごしやすい家具のレイアウトにしたりする必要があるでしょう。
さいごに
今回の測定は、スマートフォンアプリによる簡易的な測定で行ない、晴れと曇りのそれぞれ1日、南向きのお部屋1室のみで行っています。お部屋や窓の方角、立地、窓の大きさ、測定の仕方によっても数値は異なってくるでしょう。
しかし今回測定した部屋では、晴れ/曇りのどちらの日でも、窓際で過ごすことで、快眠へ必要とされる目安の照度2,500ルクスは十分得られることがわかりました。
夏の暑い日など外出が難しい日は無理に屋外での日光浴をせずとも、室内の窓際でも十分な明るさが得られる可能性があります。おうち時間をうまく活用しながら、快眠を目指しましょう。