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その眠気、実は疾患の可能性も!?若者世代は特に知っておきたい「突発性過眠症」とは

rina 睡眠インテリア睡眠健康指導士/インテリアコーディネーター/薬剤師

「特発性過眠症」という疾患をご存じですか?過眠症の1つで、原因はまだ詳しくわかっていません。認知度が低めまれな疾患といわれていますが、実は突発性過眠症を発症していても疾患と気付いていない方もいるかもしれません。

・突発性過眠症の3つの特徴

❶ある程度我慢できる眠気

夜にしっかり睡眠をとっているにもかかわらず、日中に眠気が襲うのが突発性過眠症です。しかしこの眠気は、すぐに眠り込んでしまうほどの強さではありません。個人差はありますが、我慢できる程度の眠気ともいわれているので、「過眠症」と気付きにくいかもしれません。
ただし我慢できる程度といっても、高頻度で日中に眠気が起こることは生活に大きな支障となるでしょう。QOLがかなり低下してしまいます。

❷寝て起きてもスッキリ感がない

日中の眠気により数時間寝ても、起きたときのスッキリ感を感じにくいといわれています。そのため何度も居眠りを繰り返してしまいやすくなります。また、めまい、立ちくらみ、頭痛などの症状を伴う場合もあります。
体へも精神面へも負担を感じてしまうかもしれません。

❸ 10~20代での発症が多い

突発性過眠症は、10~20代での発症が多いことがわかっています。
夜にしっかり眠っているにもかかわらず、学校の授業中に毎日のように眠気が襲う、居眠りをしてしまうという人は突発性過眠症の可能性が考えられます。しかし学生や若い社会人の方の場合、まさかこの眠気が病気からくるものだとは気付かないかもしれません。
家族や周りの人たちが睡眠の不調に気付いてあげることが大切です。

・ナルコレプシーとの違いは?

同じく「居眠り病」とも言われるナルコレプシーという疾患があります。

突発性過眠症の眠気は「我慢できるほど」といわれていますが、ナルコレプシーの場合は突然に耐えがたい眠気が起こり眠ってしまいます。

眠る時間は、突発性過眠症の場合は1時間以上、ナルコレプシーの場合は10~20分程度という違いがみられます。さらにナルコレプシーの場合はすっきりとした目覚めを感じることがわかっています。

発症年齢は、ナルコレプシーも同様に10代で多くみられますが、他の世代の人でも発症の可能性はあるようです。

どちらの過眠症も日常生活に支障が出やすいため、医療機関への受診と治療の必要があるでしょう。

さいごに

突発性過眠症は、1日に約10時間以上の睡眠をとるといわれていますが、過眠症についてあまり知らない人からは「ただの居眠り」「寝すぎ」と思われてしまうこともあります。
睡眠の分野はまだわかっていないことが多いですが、突発性過眠症のような疾患が存在することは誰もが知っておく必要があるでしょう。

睡眠健康指導士/インテリアコーディネーター/薬剤師

上級睡眠健康指導士、インテリアコーディネーター、薬剤師。 健康系やインテリア系記事のライターをしたり、睡眠の質を上げる!?インテリアコーディネートのコツを発信したり、薬局で勤務したりしています。

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