【11月5日|世界津波の日&津波防災の日】地震や津波から「逃げることは守ること!」
本日11月5日は「世界津波の日」であると共に「津波防災の日」でもあります。
津波リスクの高い地域・非常用持ち出し品・津波避難施設など安全な場所・避難ルート」など、今日は津波から命を守るための行動を再確認する日です。
2011(平成23年)年6月制定の「津波防災の日」が最初
「世界津波の日」と「津波防災の日」は同時に制定されたのではなく、最初に制定されたのは2011年(平成23年)6月の「津波防災の日」です。
東日本大震災を教訓とした「津波対策の推進に関する法律(2011年6月)」により、11月5日が「津波防災の日」として制定されました。
制定の由来は、安政元年11月5日に起きたマグネチュード8.4の安政南海地震によって、現在の和歌山県広川町を津波が襲いました。
その際に濱口梧陵(はまぐち ごりょう)が「稲むら」に火をつけて、暗闇の中で逃げ遅れていた人たちを高台に避難させて、命を救った逸話にちなんで定められています。
2015年(平成27年)12月の国連総会で「世界津波の日」が制定
「第3回国連防災世界会議」や「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のフォローアップのために開催された、2015年(平成27年)12月の国連総会で日本をはじめ142カ国が共に提案し、11月5日を「世界津波の日」として制定する決議が満場一致で採択されました。
「津波防災の日」である11月5日が国連総会決議において「世界津波の日」とされたことも踏まえ、2017年(平成29年 )3月に「津波対策の推進に関する法律」においても「世界津波の日」に位置づけられたほか、国際協力の推進に資するよう配慮する旨の規定が追加されました。
「世界津波の日」が制定された意味として「津波について正しく理解し、津波対策を進める」点が挙げられます。
津波は日本だけの問題ではなく、世界中で津波によってもたらされるリスクに関する人々の意識を向上させ、津波対策を強化するために位置付けられた重要な日です。
津波防災は世界中に広がっている
津波は世界各地で発生し、甚大な被害をもたらせています。上記は代表的な津波・地震・火山噴火による被害を示した地図であり、A~Fの地点で起きた津波災害は以下のとおりです。
- A:2011年東日本大震災 18,000名を超える死者と行方不明者
- B:2004年インド洋津波 227,000名を超える死者
- C:1896年三陸沖地震 27,000名の死者
- D:1883年インドネシア・クラカタウ島 火山噴火 34,000名の死者
- E:1868年チリ地震 25,000名の死者
- F:1755年ポルトガル・リスボン地震 50,000名の死者
津波の伝わる速さと高さ
津波は、水深が深いほど速く伝わる性質があり、水深5,000mほどの沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。
逆に、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれ減速した波の前方部に後方部が追いつくことで、波高が高くなります。
遅くなるといってもバイクや車が走行するほどの速さなので、人が走って逃げ切れるものではありません。
そのため津波から命を守るためには、海岸にやってきてから避難を開始したのでは間に合わないのです。
これは、東日本大震災時の津波映像で証明されています。津波警報が発表されたら、すぐに高い台に避難しましょう!仮に津波警報が発表されなくても、海沿いで大きな揺れを感じたなら直ちに避難することが重要です。
本日11月5日は津波被害が発生する地域において、津波専用の避難所・避難ルートの確認や、津波からの逃げ方を改めてシミュレーションしておきましょう。