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WBC欠場のゲレーロJr.は幸いにも軽症。代役には前ジャイアンツの一塁手もいるが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Feb 20,2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、ワールド・ベースボール・クラシックには出場しない。3月4日、ブルージェイズがそう発表した。

 前日の試合で右膝に違和感を覚え、ゲレーロJr.は途中でベンチに退いた。だが、不幸中の幸いと言うべきか、長期欠場や、ギャビン・ラックス(ロサンゼルス・ドジャース)のようなシーズン全休にはならないようだ。ラックスの右膝については、「シーズン絶望となった「新遊撃手」の穴をどう埋めるのか。FA市場に残っている遊撃手を手に入れる!?」で書いた。

 スポーツ・ネットのアーデン・ズウェリングは、こうツイートしている。「金曜の夜にMRI検査を受けた結果、ブラディミール・ゲレーロJr.の右膝は軽度の炎症であることが判明した。ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督によると、損傷はないという」

 うまくいけば、開幕には万全の状態で臨めるかもしれない。そこまでいかなくても、DHとしてなら出場できるのではないだろうか。

 今オフ、ブルージェイズは、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAになったブランドン・ベルトと1年930万ドルの契約を交わした。ジャイアンツ時代のベルトは、一塁のレギュラーだった。過去2年は、故障者リストに3度ずつ入り、昨年は78試合で8本塁打と出塁率.326に終わったが、一昨年は97試合で29本塁打と出塁率.378を記録している。ちなみに、一昨年のホームランのペースは、ゲレーロJr.が12.6打数/本(604/48)、ベルトは11.2打数/本(325/29)だった。

 もっとも、ベルトも、右膝には不安を残す。昨年9月に3度目の手術を受け、今春のエキシビション・ゲームには、まだ出場していない。ブルージェイズは、主にDHとして起用するつもりでいるようだ。

 ゲレーロJr.もベルトも守れない場合、DHは1枠しかない上、一塁の筆頭候補はユーティリティのキャバン・ビジオとなる。ビジオに、2人ほどのパワーはない。

 ブルージェイズでは、ゲレーロJr.だけでなく、ジョーダン・ロマーノアレハンドロ・カークの2人も、予定していたWBC出場をとりやめた。それぞれ、ゲレーロJr.はドミニカ共和国、ロマーノはイタリア、カークはメキシコのメンバーとして、WBCに参加するはずだった。カークは、妻の出産が理由だ。ロマーノの理由は不明ながら、故障ではなく、エキシビション・ゲームで投げている。

 なお、ゲレーロJr.を欠くドミニカ共和国については、こちらで書いた。

「ゲレーロJr.がWBC欠場の場合、ドミニカ共和国の一塁は誰が守る!? 右膝の違和感で途中退場」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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