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高校サッカー応援マネージャーの本田望結。女優とフィギュアの両立へ「苦手なら克服するまでやります」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
全国高校サッカー選手権の応援マネージャーに選ばれた本田望結(撮影/河野英喜)

子役から女優として活躍を続ける一方、フィギュアスケーターとして今年シニアデビューした本田望結。若手女優の登竜門でもある「全国高校サッカー選手権大会」応援マネージャーに選ばれた。二つの道に加えて高校生として学業もある生活を、どう成り立たせているのか? 話を聞くとストイックな素顔が浮かび上がったが、本人にとっては普通のことのようだ。

仕事のスイッチは自然にオンになります

――望結さんは子役の頃から真面目でキッチリしたイメージがありますが、本田姉妹のYouTubeチャンネルで京都弁でチャキチャキ話しているのを観たら、ちょっと違う印象でした(笑)。

本田  あれは素が結構出ましたね。家族と一緒でオフだったので、そういう雰囲気になってしまって、投稿するときは勇気が要りました(笑)。

――逆に、仕事のときはオンになるスイッチがあるわけですか?

本田  自然にスイッチが入ります。意識しているわけではなくて、小さい頃から、皆さんが知っている“本田望結”の雰囲気に自動的になっているように思います。

――フィギュアスケーターとしては、また別のスイッチがあって?

本田  スケートのときは、アスリートとして自分のできることを最大限に出すことしか考えていません。自分が女優だということも忘れていますし、勝つか負けるかだけ。笑顔より無表情に近い真剣な顔になっています。

――子どもの頃から有名になったことは、自分にとってプラスでしたか?

本田  『家政婦のミタ』で皆さんに知っていただいた当時は、“ひとつの作品が終わったら次”という日々を過ごしていたので、自分では有名になれたとか、あまり考えてなかった気がします。そういう状況が日常になっていたというか。

――身長は現在160cmとのことですが、どこかの時点で急に伸びたんですか?

本田  2年ほど前に10cmくらい伸びました。それからも身長を測るたびに伸びていて、まだ止まってないみたいです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

空腹より練習で体が重いほうがイヤなので

――姉の真凜さんと夜ごはんを食べるYouTubeでは、UberEatsでトッポギとかを頼んでいましたが、普段の食生活ではどんなことに気を配っていますか?

本田  母がアスリートフードマイスターの資格を持っているので、任せています。朝から、母がバランスの良いごはんを作ってくれています。

――間食をしないとか、夜何時以降は食べないのは当然のこと?

本田  そうですね。今は成長期で、身長が伸びるだけでなく体重も増えますし。姉が小さい頃から食生活に気をつけていたので、見習っています。

――夜中にお腹がすいても我慢すると。

本田  朝の練習で体が重いほうがイヤなので。毎日練習をするのも当たり前になっていて、私は代謝がかなり良いので、汗だくになってトレーニングするのも全然慣れています。性格もかわいい女の子みたいな感じではなくて、男の子っぽいですね。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

人が8時間かける課題を1時間でやりました

――それだけフィギュアの練習をするうえに芸能活動もして、学校の勉強もあると、1日24時間では足りなくないですか(笑)?

本田  本気で「24時間以上あったらいいのに」と思ったことは、何度もあります。でも、それはどんなに願っても叶わないことなので、割り切るようになりました。今の生活の中でできること、やりたいことを精いっぱい突き詰める気持ちで、「変えたいのにできない」ということはないです。

――集中力も人一倍なんでしょうね。

本田  スポーツに集中力は必要なので、他のアスリートの皆さんと同じだと思います。でも、モノを覚えるのは早くて、家庭科の課題でみんなが8時間くらいかけてやることを、1時間で終わらせたりはしました。

――それはすごい。普通の女子高生みたいに放課後に遊びたいとかも思いませんか?

本田  あまり興味ないです。みんながどういうことをしているのかもわかりませんし。昔からお仕事もスケートの練習もあるのが日常で、高校に入って新しい友だちもできましたけど、練習しないで遊びに行きたいという気持ちにはなりません。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

負けた選手に感情移入して泣いたりしました

今年は大晦日に開幕する「全国高校サッカー選手権大会」の応援マネージャーは、初代の堀北真希に始まり、新垣結衣、川口春奈、広瀬すずらが高校生の頃に務めてきた。本田は16代目。コロナ禍で部活動の制限もあった今年、タレントでありつつ、アスリートとして自身も競技に向き合った彼女が起用された。

――高校サッカーの応援マネージャーは「夢だった」とコメントしていました。歴代の誰かを見て、そう思ったんですか?

本田  もちろん歴代の方々は素晴らしいですし、もともとサッカーも好きでした。父がサッカーをやっていたこともあって、教えてもらったり、一緒にテレビで観戦していて、携帯メモで今年の夢の一番上に「応援マネージャーになる」と書いたんです。かと言って、何を努力すればなれるのかはわからなかったので、できることを全力でやってきました。そのご褒美をいただいた感覚です。

――サッカーの試合を観て感動したことも?

本田  前回の高校サッカーの決勝を父と観に行きました。自分もスポーツをしていることもあって熱くなりますし、負けた選手に感情移入して涙するところもありました。私もフィギュアスケートの世界でトップ選手ではないので、勝てなかった気持ちに共感しがちです。

――体育の授業とかで自分がサッカーの試合をしたこともありますか?

本田  授業でもやりましたし、小学生の頃は男の子に混じって、やったりもしました。私はすごく負けず嫌いなので「誰よりも先にゴールを決めてやる!」という。サッカーに限らず、リレーでも「絶対1位を獲る!」と思ったり、苦手を作りたくないので、何でも克服するまでやるタイプです。バスケだったら、シュートが入るまでやります。

――インスタグラムにはバッティングセンターでの動画も上がってました。

本田  あれもホームランのところに飛ぶまで、打ち続けました。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

負けず嫌いの出方がフィギュアだけは違って

――応援マネージャー恒例のリフティングもやったんですよね?

本田  6回でしたけど、練習のときより多くできました。リフティングももっと上手くなりたいと思って、撮影が終わってからも、家にあるボールで練習しています。何でも途中でやめるのは嫌いなので。

――そこまで負けず嫌いだと、本職のフィギュアスケートではなおさら?

本田  悔しさをいつまでも引きずってしまうタイプだったのを、良くないと思ったので、フィギュアスケートに関しては割り切っています。感情をコントロールして、経験を次の試合で活かすことを考えていて。負けず嫌いの出方がちょっと違っていて、それだけフィギュアスケートには本気なんだと、自分で思います。

――部活の女子マネージャーも、いいなとは思います?

本田  フィギュアスケートだとマネージャーさんという方はいなくて、選手は全国から自分が教えてもらいたいコーチのところに集まるので、学校の部活が私はあまりイメージできなくて。でも、マネージャーさんは自分がゴールを決めるわけでなくても、選手と同じ夢に向かって頑張っているのは憧れますし、カッコイイなと思います。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

忙しさや体力に関する不安はまったくありません

――応援マネージャーを前回務めた森七菜さん、前々回の清原果耶さんは、共に連続ドラマの主演にも抜擢されています。望結さんも女優としては、そういうところを目指しているわけですか?

本田  もちろんです。いつかそうなりたいと強く思います。

――そこでも負けず嫌いは出ますか?

本田  私はオーディションを何百回と受けて、何百回と落ちました。ただ、女優のお仕事の場合、実力がなくて落ちるときもあれば、役のイメージと合わなくて落ちるときもあって。主役に選ばれた方には、その役を演じる資格みたいなものがあったと思うので、純粋に「すごいな」と思って作品を観ますし、勉強もさせてもらっています。

――望結さんはキャリアは長くありつつ、世代的には森さんや清原さんより少し下ですね。

本田  まだこれからだと思います。自分で言うのもアレですけど、小さい頃の私は本当に頑張っていて(笑)。でも、人生で一番キラキラしていたのがその頃にはしたくないので、これから先、もっと輝けるようになりたいです。

――もしドラマの主演が決まったら、喜ばしいことですけど、スケジュール的にフィギュアスケートとの両立について、改めて考えることになりますかね?

本田  小さい頃はちゃんと両立できていました。ひとつの作品が終わったら、また次の作品という生活の中で、フィギュアの試合でも予選を通ってましたし、優勝した大会もありました。スケジュールや体力に関しては、まったく不安はありません。逆に両方どんどんやっていこうと、燃えるような気持ちです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

自粛中に『家政婦のミタ』を観たらすごく面白くて

――アスリートとしての鍛錬の一方で、演技力を高めるために、日ごろから努力していることもありますか?

本田  映画やドラマの鑑賞は、小さい頃からよくしています。スケートも同じで、自分でやるだけでなく、観て学ぶこともすごく大事だと思うので。ただ楽しみたくて映画を観るだけでも、観終わったら得るものはあるし、「私も早くお芝居をしたい!」というモチベーションになります。

――週に何本かは映画を観ているとか?

本田  1本観終わったら、また次、という感じです。母が映画好きで、お薦めをたくさん教えてくれて。今だと有料配信のアプリもいろいろあるし、自粛期間には自分が出た作品を観たりもしました。

――刺激になった作品はありますか?

本田  『家政婦のミタ』です(笑)。当時の私は6歳だったので、自分が出ていたというより別の子のように客観的に観られました。内容は子どもには難しい部分もあって、撮っていた頃は「これはどういうことだろう?」って疑問もたくさんありました。今観たら大人の考え方もわかるし、当時は演じたきいちゃんの子ども目線でしか見られなかったのが、ミタさんやお父さんの視点でも見られて、めちゃくちゃ面白いです。だからこそ、私も皆さんに名前を知ってもらえたので、すごい作品だったと改めて感じました。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

子どもの頃よりもたくさん作品に出たいです

――自分の出てない作品では?

本田  『フォルトゥナの瞳』はずっと頭に残っています。私はどの作品でも感情移入してしまうのですが、この作品にはすごく考えさせられて。映画館からの帰り道で、ちょっと怖いような、自分が生きていることが不思議なような感情になっていました。人を映画の世界に引き込む作品で、何日もその感情を引きずったのを覚えています。

――自分も人を引き込む演技をしたいと?

本田  そうですね。とにかく「お芝居をしたい!」と思うんです。昔のように次から次へと作品に出て、慌ただしくなりたいです。撮影が休みの日にフィギュアスケートの練習という生活を早く送りたい気持ちが、すごく強くなっています。

――忙しいくらいがいいんですね。

本田  そのほうが私には合っています。自粛期間中にリモートのお仕事しかなくて、練習もできない日々は不安になってしまって。時間があっても練習は捗らないし、「この何時間、何分しか滑れない」という状況でこそ集中できます。今そうなってないのは自分の実力のせいなので、これから小さい頃以上に頑張りたいです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

引きずりがちな自分が悲しい役を演じたら…

――映画やドラマを観るうえで、好きな作品の傾向はありますか?

本田  私は本当に感情を引きずるタイプなので、ハッピーエンドが好きです。最近も新幹線の中で観た2時間半くらいの海外の映画がバッドエンドで、ふと思い出しては引きずってしまって。作品としては面白くても、やっぱりハッピーにパッと終わるほうが好きです。

――観るだけでそこまで感情移入するなら、自分が悲しい役を演じたら大変なのでは?

本田  それはすごく思います。小さい頃も作品とちゃんと向き合ってはいましたけど、次から次で引きずる時間もなくて。今だったらどうなるのか、気になりますし楽しみでもあります。自分のメンタルがめちゃめちゃ弱くなってしまうのか、案外パッと切り替えられるのか、見てみたいですね。

――応援マネージャーに選ばれたときのコメントで、女優とフィギュアスケートをやっていることについて、「本田望結という人間が2人いるような気持ち」とありました。それぞれにフィードバックできる部分はないですか?

本田  表面上はあるかもしれなくても、中にグッと入ると案外ない気がします。やっぱり別物なので。でも、表面的なものは活かしたいと思っています。小さい頃からお芝居のレッスンで表現を教わってきたおかげで、スケートのファンの皆さんからも「望結ちゃんの表現力はすごいね」と言ってもらえるので、そこは自分の当たり前にしたいです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

大人になったらやりたいことがまた見つかるはず

――加えて、学校の勉強も疎かにしてないんですよね?

本田  「勉強は大人になってからでもできる」とおっしゃる方もいますが、私は欲張りなので、大人になったら絶対またやりたいことが見つかると思うんです。だからこそ、勉強は高校生の今、ちゃんと頑張りたいです。

――テスト前は徹夜したりもするんですか?

本田  昔から、お芝居とフィギュアスケートを優先してきた中でも、寝る時間や食べる時間は大事にしてきました。徹夜で勉強してもテスト中に眠くなってしまうし、逆に、寝たら頭が冴えて、テスト中に「これだ!」と思い付くこともあるので。ちゃんと寝て、妹と遊んでいた時間を勉強に使います。

――全国高校サッカー選手権は年末から始まりますが、本田家の年末年始はどんな感じですか?

本田  お正月は祖母の家に親戚一同で集まります。私はお雑煮のお餅を焼く係で、数10人の親戚の1人1人、誰がお餅を何コ入れるのか全部覚えています。

――お年玉はまだもらっていますか?

本田  もらいます。でも、いつもそのまま、母に預けます。小さい頃からスケジュールがきっちり決まった生活が日常で、皆さんに「望結ちゃん、頑張ってるね」と言ってもらえるので、それ以上、欲しいものはないですね。

Profile

本田望結(ほんだ・みゆ)

2004年6月1日生まれ、京都府出身。

小学生時代にドラマ『家政婦のミタ』などに出演して注目される。主な出演作はドラマ・映画『コドモ警察』、ドラマ『警部補・杉山真太郎~吉祥寺署事件ファイル』、『探偵少女アリサの事件簿』、『バイプレイヤーズ』、映画『ポプラの秋』、『母と暮らせば』など。『こやぶるSPORTS』(KTV)でMCアシスタント。『ドスルコスル』(NHK)でナレーション。一方、フィギュアスケーターとして今年、「全大阪フィギュアスケート選手権大会」ジュニア選手権女子で優勝し、「東京フィギュアスケート選手権大会」でシニアデビュー。「第99回全国高校サッカー選手権大会」16代目応援マネージャー。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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