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日本シリーズの「3連勝」はオリックスが51チーム目。優勝を逃したのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイコブ・ワゲスパック Mar 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年の日本シリーズで、オリックス・バファローズは、最初の3試合とも白星を挙げられなかった。だが、0勝2敗1分で迎えた第4戦から、3試合続けて勝利を収めている。

 1シリーズに3連勝以上を記録したのは、間に引き分けを挟むケースも含め、今年のオリックスが51チーム目だ。過去の50チームのうち、そのシリーズを制したのは44チーム。あとの6チームは、3連勝を記録しながら、優勝を逃している。

 3連勝以上の10%以上が、優勝していないということになる。50分の6=12.0%だ。

 ただ、3連勝にもかかわらず、シリーズ敗退の6チーム中5チームは、対戦したチームも3連勝以上を記録した。例えば、1976年のシリーズは、阪急ブレーブスが第1~第3戦に3連勝、読売ジャイアンツは第4~6戦に3連勝。第7戦に勝った阪急が、シリーズを制した。

 同じシリーズでどちらも3連勝以上――両チームとも3連勝、あるいは一方が3連勝でもう一方は4連勝――の計10チーム(2チーム×5シリーズ)を除くと、3連勝以上の40チーム中39チームが優勝、敗退は1チームとなる。97.5%と2.5%だ。

 3連勝を記録し、3連敗がないにもかかわらず、優勝を逃したのは、2003年の阪神タイガースだけだ。第3~5戦の3連勝の前後とも2連敗を喫し、●●○○○●●の3勝4敗で福岡ダイエー・ホークスに敗れた。

 引き分けを数えず、0勝2敗から3連勝で王手をかけたのは、2003年の阪神が4チーム目、今年のオリックスは7チーム目だ。1962年の東映フライヤーズ、2000年の読売ジャイアンツ、2016年の北海道日本ハム・ファイターズは、そこから連勝を4に伸ばし、優勝を飾った。1979年の広島東洋カープと2011年の福岡ソフトバンク・ホークスは、連勝が3で止まり、3勝3敗となったが、第7戦に勝利を収めた。

 1979年の第7戦は、山際淳司が書いた「江夏の21球」によってよく知られている。ちなみに、江夏豊は、この試合で41球を投げている。21球は、9回裏の投球数だ。2011年の第7戦は、福岡ソフトバンクの4投手、杉内俊哉ブライアン・ファルケンボーグ森福允彦攝津正が、中日ドラゴンズを完封した。

 なお、上の写真のジェイコブ・ワゲスパックは、このシリーズで4試合に登板し、一人もホームを踏ませることなく、2セーブと1勝を挙げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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