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4月を終え、打率4割以上と防御率0点台はどちらも1人。打率トップはジャッジの三冠王を阻んだ選手

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・アライズ(マイアミ・マーリンズ)Apr 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ルイス・アライズ(マイアミ・マーリンズ)は、打率.438と出塁率.500を記録している。これらの数値は、どちらも、4月30日が終わった時点で規定打席以上――チームの試合数×3.1打席以上――の181人のなかで最も高い。アライズに次ぐのは、打率.384と出塁率.465のマット・チャップマン(トロント・ブルージェイズ)だ。マーリンズはナ・リーグ、ブルージェイズはア・リーグのチームなので、アライズだけでなく、チャップマンの打率と出塁率もリーグ・トップということになる。

 規定打席未満の選手を含めても、40打席以上で打率.400以上、あるいは出塁率.500以上は、アライズしかいない。昨シーズン、ミネソタ・ツインズにいたアライズは、リーグ・トップの打率.316を記録し、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の三冠王を阻んだ。

 チャップマンは、OPS1.152もトップ。こちらは、両リーグ1位だ。ナ・リーグのトップには、1.071のマックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)が位置している。アライズの1.051は、両リーグ4位、ナ・リーグ3位。マンシーとアライズの間には、1.065のブランドン・マーシュ(フィラデルフィア・フィリーズ)がいる。

 一方、規定投球回以上――チームの試合数×1.0イニング以上――の76人中、最も防御率が低いのは、0.77のソニー・グレイ(ツインズ)だ。防御率1.50未満は他に2人。ゲリット・コール(ヤンキース)が1.11、ジャスティン・スティール(シカゴ・カブス)は1.49を記録している。

 グレイは、6登板で35.0イニングを投げ、失点と自責点はどちらも3。ここまでの登板は、無失点と1失点を交互に繰り返している。

 こちらは、規定投球回未満ながら、20イニング以上でグレイより低い防御率の投手がいる。マックス・フリード(アトランタ・ブレーブス)は、4登板の20.0イニングで自責点1(失点も1)。防御率は0.45だ。

 登板とイニングの少なさは、開幕戦の4回裏に一塁のベースカバーに入った際、左太腿裏を痛め、故障者リスト入りしたことによる。また、4月28日の登板は、無失点のまま5イニングを投げたところで雨天中断となり、試合はそこで終わった。中断がなく続行されていれば、あと1~2イニングは投げていたと思われる。このままいけば、5月中に規定投球回に達するはずだ。

 4月末時点のホームランについては、こちらで書いた。

「4月を終え、ア・リーグで大谷翔平よりホームランが多い選手は3人。大谷の7本塁打はトップと3本差」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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