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「自分より、レベルが下の人としか付き合えない」という心理を、性格学に詳しいカウンセラーが考察します。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「自分より、レベルが下の人としか付き合えない人」というテーマでお話したいと思います。

世の中には、「自分より下の人としかつきあえない」とおっしゃる人がいます。
自分より学歴が低い人、自分より年収が少ない人、自分より不細工な人、などなどです。性格特徴としては、劣等感情が強く、人と自分を比べる癖がある人です。

生まれつき性格で言えば、お父さんタイプ、お母さんタイプ、長男タイプ、二男タイプの精神状態が後退している人たちが、それに該当します。

その他のタイプ、おじいさんタイプ、おばあさんタイプ、長女タイプ、二女タイプ、末っ子タイプは、精神状態が少々悪化しても、「自分より、レベルが下の人としかつきあえない」ということは少ないのではないかと思います。

お父さんタイプや長男タイプや二男タイプは、どうして精神状態が悪化すると自分より下の人としかつき合えないのでしょうか? それは主には嫉妬深いからです。自分より上の人を見ると、自分の嫉妬心がメラメラと燃え盛り、それでしんどくなってしまうからです。

お母さんタイプの人は、少し違っていて、お母さんタイプは勝ち負けに敏感で、しかも人の世話をするのが好きなので、自分より上の人を見ると自分の出る幕がなくなる感じがして、それで下の人としかつき合いたくないと思ってしまうのです。

次に、「自分より、下の人としか付き合わないとどうなるか?」と言いますと、自己成長がしにくくなってしまいます。
というのは、多くの人は、自分より上の人と付き合うことによって、その人から良い刺激をもらい、自分自身を成長させていくからです。
実際、自分より上の人と付き合うと、その人の優れた部分を無意識に真似るようになり、自分自身を知らず知らずのうちに、向上させていけるようになります。

よって、人間関係においては、「自分より下の人としか付き合えない」なんてことは言わず、いろんな人とつきあうと良いでしょう。

そうですね、あと、私が思うに、
元気がない時は、自分より少し下の人と付き合い、元気がある時は、自分より少し上の人と付き合うといい、のではないかと思います。

というのは、元気がない時に、自分より上の人と付き合うとますます落ち込むだけですし、元気がある時に、自分より下の人と付き合うと、ラクしてしまって自己成長が望めなくなってしまうからです。

人間には、いろんな欲求がありますが、社会に貢献したいという欲求と成長したいという欲求は、根源的な非常に強い欲求なので、「私は、人間的に成長なんかしなくていいもん。下の人とだけつきあっていくもん」等と開き直らず、自分より上の人と付き合い、自分自身を成長させていって欲しいと思います。

と、ここまで話してきて、
自分より下とか上とか、「誰が決めているのか?」というと、これは単なる自分の勝手な価値基準・こだわりだけなので、そもそも「自分より下の人としかつきあえない」と考えること自体がおかしいですよね。

「自分より下の人としか付き合えない」とおっしゃる方は、どうぞ、「自分は自分でいい。ナンバーワンになんかならなくっていい。オンリーワンでいい!」という考えを持つようにしていってください。そして、自分より上の人とも付き合い、人間が根源的に持つ、自己成長欲求を満たしていってください。

そのためには、今日の記事の冒頭でも言いましたが、
1.自分に自信をつけること。
2.人と自分を比べるのは、ほどほどにすること。
          という2点が大切になっていくのではないでしょうか?

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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