【シャワー派は必見】暑い日こそ湯船につかろう! 温泉好きが自宅で実践する入浴法
近年は若い世代を中心に、入浴をシャワーで済ませてしまう人が多いようだ。仕事などで忙しい現代人にとって、「風呂を沸かして湯船につかる」という行為は、面倒に感じるのかもしれない。
さらに、気候的に暑い日が続くと、湯船に入るのが億劫になってしまう人も多い。
ふだんは「シャワー派」という人は、毎回とは言わないが、ときどき湯船につかることをおすすめしたい。
なぜなら、湯船につかる行為は、さまざまな効果があるからだ。
軽視できない入浴の効果
まず、入浴には温熱効果がある。体が温まって血管が広がると、新陳代謝が高まり、体内の不要物の排泄が促される。疲労物質である「乳酸」も排出されるため、疲労回復につながりやすいとされる。
浮力効果もある。首までつかると、体の重さは約10分の1に感じられるといわれている。水中では体を楽に動かせるようになって筋肉が緩むため、脳がリラックスした状態になる。
入浴には、マッサージのような水圧効果もある。心臓から遠い下半身は血液が停滞しやすいが、入浴時は下半身への水圧が血液を心臓に押し上げる働きによって血行が促進される。
シャワーではこのような効果は得られない。熱い湯を浴びても、温まるのは肌の表面だけで、体内までは温まらない。
体への負担が大きく、疲れやすい夏場こそ、湯船につかって入浴の効果を得るといいだろう。
「ぬる湯」で寝つきもよくなる
湯を張るときには、温度を工夫することで、さらなるリラックス効果を得られる。
日本人が最も気持ちよく感じるのは42度だといわれる。少し熱いくらいで、シャキッとする感覚があるが、42度以上の湯は精神と緊張を高ぶらせる「交感神経」という自律神経を刺激する。朝、元気に一日のスタートを切りたいときにはいいが、就寝前に入浴するならおすすめできない。
ちなみに、肌への刺激が強いシャワーも「交感神経」が優位になるので、リラックスとは逆効果になってしまう。
夜の入浴には、37~39度のぬるめの湯が向いている。脳と体をリラックスさせる「副交感神経」を刺激する。
37~39度の湯だと、「ぬるくて風呂に入った気がしない」と感じる人もいるだろうが、ゆっくりと20分ほどつかっていると、じんわりと額に汗が浮かび、体の芯まで温まってくる。就寝前にぬるめの風呂にゆっくりつかって体温を上げておくと、快適な睡眠ができるといわれている。
しかも、夏に向けて気温が高くなる時期には、ぬる湯のほうが快適だ。湯船につかるのは暑苦しいから苦手、という人にはおすすめである。
就寝前の入浴は、心をリラックスさせるのも大切なこと。いつもよりぬるめの湯に長くつかって、心を鎮めてから眠りにつこう。
半身浴で読書も楽しい
長湯が苦にならない人には半身浴もおすすめだ。
湯船に座った状態で、みぞおちのラインまで湯を張り、ゆっくりと湯につかる入浴法だ。このときも37~39度に温度設定しておくと、リラックスできる。
半身浴は体が温まらないイメージがあるが、下半身からゆっくり温まり、血液循環も活発になるため、しだいに上半身も温まってくる。もし寒く感じるようであれば、ときどき肩までつかったり、湯をしみこませたタオルを肩などにかけたりしてもいいだろう。
そもそも長湯や半身浴は退屈……という人もいるかもしれない。半身浴なら読書をしてもいいだろう。筆者は濡れてもかまわない週刊誌などを湯船に持ち込んでいる。
基本的に入浴で体を温めることは、基礎体温の上昇を促し、免疫力を高めることにもつながる。ウイルスを寄せつけないためにも、入浴を上手に活用したい。
ただし、いくらぬる湯や半身浴でも長湯が過ぎるのは禁物。自分の体調と相談しながら、無理だけはしないようにしよう。入浴前の水分補給も忘れずに。