もしかして世界一「静かな退職」者が多いのは日本? #専門家のまとめ
「静かな退職」(Quiet Quitting)という概念は、アメリカのティックトッカーによって拡散された独特の概念だ。現在では世界中のZ世代で使われるようになった。
日本ではというと、まだ広まっている印象はない。人事部の責任者たちと話をしても「静かな退職」というワードが話題に上がったことは一度もない。しかし、実のところ「静かな退職」者の数が世界で最も多いのは日本ではないか? ということがわかってきたのである。
では、「静かな退職」とは何なのか?
事を荒立てることなく静かに退職することではない。会社に属しながらも、まるで退職したかのように最低限の仕事をこなす働き方を指す。
サッカー選手にたとえると、ボールが足元に来たら蹴るが、そうでなければ積極的にボールを追いかけたりしない、という姿勢だろう。試合に勝ちたい選手からしたら、たまったものではない。
今後、この概念が日本に広まっていったらどうなるのだろうか? 今回は「静かな退職」に関して参考となる記事をまとめてみた。
▼「静かな退職」のような考えは、Z世代を中心とする就職活動にも影響が出ている。
▼会社に自分の身体や魂のすべてを捧げるつもりがないZ世代は、「静かな退職」ができる職場をあえて選んでいる。
▼Z世代が発信した5つのバズワードに「静かな退職」が入る。他には「怒りにまかせた応募」「騒がしい退職」など。
▼ギャラップ社の調査では「熱意のある社員」数はアメリカに比べてはるかに低い日本。すでに「静かな退職」を実践している人が70%も?
記事にあるように「静かな退職」といっても、何もやらずにぼーっと職場にいることを指すわけではない。会社のために汗はかかないし、出世のための自己研鑽はせず、淡々と言われたことだけをやる働き方のことだ。
よく考えてみると、周りにたくさんいるではないか。Z世代に限らず、中堅社員にも多くいる。言い訳ばかりで結果を出さない営業や、一向に生産性を上げようとしないデスクワーカーも同類かもしれない。いつまで経ってもITリテラシーを高めようとしないベテラン社員も「静かな退職」者と言えるだろう。
そもそも日本人の「56.2%」は社外で自己研鑽しないと言われ、この「やる気のなさ」は世界最下位レベルである。一億総「静かな退職」社会にならないよう、日本企業は、しっかり社員に啓蒙していく必要があるようだ。