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葛飾区金町駅近くに新名店!高級店顔負けの焼鳥が200円~の下町価格で楽しめる!リピート確実

今回冒険するのは、東京都葛飾区の焼鳥屋「町子」。オープンは2023年12月とまだ日が浅いものの、地元の焼鳥好きの心をしっかりと掴んで金町屈指の人気店になっている。

焼鳥は「おまかせストップ制」

最寄りの金町駅から商店街を北に抜けて少し。ぼうっと灯る提灯が「町子」の目印だ。カウンター6席に2名がけのテーブルがふたつの小ぢんまりとした店内は、地元客でぎっしり埋まっていた。

金町界隈は焼鳥屋が多いと聞いていたとおり、「町子」に着くまでに4軒は焼鳥屋を見かけた。そのどれもが昔ながらの大衆店。そんななか「町子」は都内の高級焼鳥店で修業した店主・宮里さんが焼き場に立っている。

肝心の焼鳥もアラカルトやセットはなく、客が「ストップ」の声をかけるまでネタが出続ける「おまかせストップ制」。いやぁ、下町でそれを取り入れている焼鳥屋は少ないものだから、俄然楽しみになってきた。しかも、扱う鶏は地鶏「みやざき地頭鶏」ときた。

抱き身(むね肉)に始まり鴨ロースも

抱き身
抱き身

ビールを片手に待った1本目は、抱き身(むね肉)。噛めばもっちり、しっとりとした弾力。追いかけるように皮目の甘い脂がジュワッと広がっていく……。いいねぇ。この1本目ですっかり食欲に火が付いてしまった。

鴨ロース
鴨ロース

次のネタは砂肝かせせりかと思って待っていたら、差し出されたのはまさかの鴨ロース。鴨のむね肉は焼鳥屋の定番ではあるけれど、火入れがかなり難しいネタ。火が少しでも余分に入ってしまえば、途端にパサついてしまう。

それがどうだろう。これは均一に火が入り芯までしっとりと。1貫目に添えた粒マスタードや間に挟んだねぎの香味でいっそう華やかに仕上げている。あぁ、これはうまいなぁ。

「僕自身、鴨肉が好きなので使っています」と微笑む宮里さん。そういう思いが、ネタの仕上がりにもちゃんと表れているんだ。

せせり
せせり

みやざき地頭鶏の白レバーに鴨皮

白レバー
白レバー

「今日は脂がのったレバーが入っていますので」と出されたのは、みやざき地頭鶏の希少な白レバーだ。ふっくら、しっとりとして、舌にからむようにとろりと……。なんて、幸運。思わず、タレの白レバーも欲しくなったくらいだ。

鴨皮
鴨皮

ここでまた意外な一手。鴨好きを自認する宮里さんならではのネタ、鴨皮だ。鴨のぶ厚い皮を打ち、ボリュームたっぷりと。ふわっとやわらかく、むちっとした食感。こういうネタはやっぱりたれがいい。七味を合わせれば、味わいに輪郭が生まれるよう。

「町子」はおまかせストップだから、ネタは店主任せ。先ほどの鴨ロースを食べた反応を見て、この鴨皮を出してくれたのかもしれないな。うーん、ありがたいばかり。

人気焼酎のピンクフラミンゴも
人気焼酎のピンクフラミンゴも

ボリュームたっぷりのハツモトも人気

ハツモト
ハツモト

ここで、大ぶりなハツモト。1羽で一つしか取れないハツも立派な希少部位。そのハツのなかでも脂がのった部分だけを集めて打ったネタだ。噛めばクニュリとやわらかく、脂の甘みとうまみがぐん! と押し寄せてくるよう。

ハツの元と言いつつ、ハツの中ほどまで使うからこそのボリューム感。「町子」でもこれは、定番の人気ネタなんだとか。

もも
もも

地鶏の主役となるネタはやっぱりももだ。皮はパリッと仕上げ、肉はもっちりとジューシーに。もも肉は皮目に脂を含んでいるのでねぎまにするのも定番だけど、肉だけというのも潔し。

なすは香味野菜で香ばしく
なすは香味野菜で香ばしく

ソリ
ソリ

焼鳥ブームに火をつけた「ちょうちん」も

ここで久しぶりに食べる「ちょうちん」。卵になる前のキンカンを串先にぶら下げた様が「提灯」に似ているからと名付けられ、この10年で一気に知名度が上がったネタだ。

「ひと口でどうぞ」と宮里さん。パクリといけばキンカンがパチュンと弾け、甘みが広がっていく。なにより、このネタが下町でも味わえるというのがいい。

手羽
手羽

鶏白湯そば
鶏白湯そば

若い夫婦のそれぞれの地元愛が紡いだ焼鳥

焼鳥は軽く10本以上は食べて、〆も濃厚な鶏白湯そばをペロリと。こういう「おまかせストップ制」の焼鳥はついつい食べ過ぎてしまうのだけど、不思議と後悔したことはないんだ。

「町子」のいいところは、メニューにネタのおおよその価格が「200円~400円」と明記されていること。平均すれば300円。都内の高級店なら1本400円以上はするのだから、間違いなく下町価格といえると思う。うまくて手頃。そりゃあ、繁盛するわけだ。

そういえば「町子」という屋号が焼鳥屋っぽくないなと思い女将さんに聞いてみれば、「私のあだ名なんですよ。母の名前かと聞かれることも多いんですけど」と微笑んだ。それに、どうやら金町は地元らしい。

宮里さんの地元の地鶏「みやざき地頭鶏」を使い、女将さんの地元で夫婦念願の焼鳥屋を開業。お互いの地元愛を紡いだ店というわけだ。

いやぁ、なんてすてきな町焼鳥だろう。都内は高級焼鳥ブームが落ち着き始めた頃。これからは「町子」のように地元に根差したうまい焼鳥屋が増えていくといいなぁ。

▼冒険のおさらい

①おかませストップ制の焼鳥屋

②みやざき地頭鶏のほか鴨も

③1本あたり200円~400円ほど

店舗情報
【店名】町子
【最寄り駅】金町駅
【住所】東京都葛飾区東金町2-20-12
【予約】03-5672-9638
【定休日】日曜
【串のアラカルト】なし
【コース(セット)】おまかせストップ(1本200円~400円)
【鶏メモ】みやざき地頭鶏 他

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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