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大塚駅近くに「日本酒×焼鳥」の穴場!日本酒は常時30種、鮮度抜群の焼鳥は200円~

今回冒険するのは、東京都豊島区の「和酒とやきとり 朱雀」。日本酒の聖地とも呼ばれる大塚はやっぱり、和食が似合う。日本酒を置く焼鳥屋は珍しくはないけれど、なんというか、"丁寧さ"に溢れているんだ、ここは。

焼鳥はお得な6本セットもあり

大塚駅を南口に出て、大通りをまっすぐに歩くこと数分。「朱雀」のある場所はちょっと分かりづらい。入りづらいように思うかもしれないけれど心配無用だ。一見さんもウェルカム。細い階段を上がると、まるで小料理屋に来たかのような柔らかな空間が広がっていた。

「朱雀」の焼鳥ネタはごくごくシンプルだ。200円~と手頃でアラカルトOK、6本盛り合わせなら1200円で味わえる。それに、一品料理も豊富に揃っているものだから、自分好みに組み立てるのも楽しい。

まずはお通し3種盛りで
まずはお通し3種盛りで

お通し
お通し

お通し
お通し

真っ先に頼みたいのが、ささみとレバー

ささみ(わさび)
ささみ(わさび)

「朱雀」に来たなら真っ先に頼みたいネタが2つある。それが、ささみとレバーだ。ささみは、ほむっとやわらかで、わさびの爽やかな香りが鼻を抜けていくよう……。芯温もほんのりと温かく、やさしい味わい。

そうそう、こういう繊細なネタはビールよりも日本酒がよく合うんだ。むしろ、1杯目から日本酒でもいいと思うくらいだ。

レバー
レバー

続くレバーはしっとり、ふっくらとして、とろり溶けていくよう……。それも塩でもなく、たれでもなく「塩とごま油」だ。そういう味付けのアプローチは、もっと大衆的な焼鳥屋で出合うことが多いのだけど、このレバーはひと味違う。

あくまでもごま油は脇役だ。レバーの甘みやコク、香りが際立ち、それでいてたれとは異なる食べやすさがある。たれならビールやレモンサワーでぐいっといくのもいいけれど、「塩とごま油」のどことなく品のある味わいは日本酒がバチッと決まる。

常連客も愛する「トウゴロウイワシ」

トンゴロウイワシの唐揚げ
トンゴロウイワシの唐揚げ

「朱雀」は焼鳥屋ではあるものの、焼鳥専門店というわけじゃない。だから焼鳥だけでなく、魚介を生かした一品料理もある。そういう意味では「焼鳥が主役の小料理屋」といったほうが、ピンとくるかもしれない。

数ある一品料理のなかでも、常連客の心を鷲づかみにしているが「トウゴロウイワシの唐揚げ」だ。トウゴロウイワシはほとんど流通することのない希少な小魚。唐揚げにすることでうまみが深まり、ほろ苦さはあるものの頭から尾まで丸ごと食べられる。

そんなトンゴロウイワシのおいしさは「鱗」にある。丸ごと揚げることでその硬い鱗が逆立ち、まるで「甘鯛の松笠揚げ」のように仕上がるわけだ。噛めばサクサクッと砕ける心地よい歯ざわり……。

アッツアツはもちろんのこと、冷めてもうまいんだからたまらない。極端な話、焼鳥数本とこのトウゴロウイワシだけでも成り立つくらいだ。もう、キュッとキレのある冷酒が合うこと、合うこと。

塩つくねにせせり、ぼんじり……

つくね
つくね

さぁさぁ、また焼鳥の出番だ。つくねはたれじゃなく塩つくねでも卵黄が付いてくるのがおもしろい。まずはそのままジューシーな肉のうまみを楽しんで、その後は"味変"で卵黄をとろりと絡めて。

せせり
せせり

ぼんじり
ぼんじり

せせりも安定してうまいけれど、ぼんじりはとくにおすすめ。ぼんじりを出す焼鳥屋は特段珍しくはないものの、なかには焼きが甘くぶよっとした食感のものだってある……。

その点、「朱雀」のぼんじりは余分な脂を落としてカリッと焼き上げられている。それでいて中はもっちりとした仕上がりで理想的。うーん、これなら何本でも食べられそうだ。

常時30種もの日本酒が揃い、隠し酒も

目玉の日本酒は常時30種は用意されているとあって、全国各地の様々な銘柄が楽しめる。食中酒にぴったりな純米酒も豊富だから、どれを飲もうかと悩んでしまうくらいだ。

なかには一般に出まわらないような「隠し酒」も。女将さんにおまかせで頼めば、そういう日本酒とも運良く出合えるかもしれない。日本酒党にはたまらないはずだ。

食後はさわやかな柚子のシャーベット

日本酒も焼鳥も存分に楽しんで、最後は柚子のシャーベットを出してもらった。素朴な味わいなんだけど、こういうちょっとした計らいにぐっとくる。

店主の石野さんは飲食一筋というわけじゃなく、もともとは航空機の部品を手がけるエンジニアだったそうだ。それから調理師学校を経て、焼鳥の道を歩み出したという異色の経歴。女将さんと二人三脚で7年、「朱雀」を育んできた。

その女将さんの笑顔あふれる接客もまた心地いいんだ。手頃でうまい焼鳥と多彩な一品料理、魅力的な日本酒、女将さんの笑顔。いやぁ、常連客が多いのも分かるなぁ。

▼冒険のおさらい

①焼鳥は200円~でアラカルトOK

②日本酒は常時30種が揃う

③トウゴロウイワシの唐揚げは必食


店舗情報
【店名】和酒とやきとり 朱雀
【最寄り駅】大塚駅
【住所】東京都豊島区南大塚3-11-10
【予約】03-6384-4646
【定休日】不定休
【串のアラカルト】あり

【コース(セット)】1,200円

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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