中野区にハイコスパの繁盛店!肉汁溢れるぷりっぷりの焼鳥が「すべて230円」は衝撃!
今回冒険するのは、東京都中野区の「鳥テル」。最寄りは西武新宿線・新井薬師前駅で、新宿駅からは4駅と好アクセス。昔ながらの商店街と閑静な住宅街が広がる町に、地元民から愛されるハイコスパな町焼鳥があった。
新井薬師前駅近く、17時オープン
新井薬師前駅から徒歩2分ほど。「鳥テル」のオープンは17時とやや早めで、ガラス戸をのぞくとすでに客がちらほらと入っていた。
まずは、とりあえずの生ビールで乾杯。焼鳥はアラカルトのみとシンプルそのもので、セットでもコースでもないからこそ好きなネタを好きなように楽しめる。品書きを見ると、どのネタも「税込230円」ときた! うーん、これぞ大衆店の醍醐味。
ぷりっぷりのハツに、名物の肩肉
さぁ、待ちに待った1本目はぷりっとしたハツ。およそ2.5羽分を使い、弾力がありながらしっとりと仕上げている。注目すべきは「脂」だ。脂がのったハツ元も残してあるので、甘い風味が口いっぱいに広がっていく。
こんな風に開いたハツは火の通りも早いので、焼鳥屋では1本目に出されることも多いネタの一つ。「鳥テル」のハツは臭みもなく、とてもピュアな味わいが楽しめる。うーん、これはいい出だし。
続いては、肩肉。見るからにむっちりとした肩肉はアッツアツで、水分量たっぷりのみずみずしい味わい。しかも皮にひと工夫ときた。
肩肉に巻いたのは若鶏ではなく、銘柄鶏の厚みのある皮。そのひと手間があるから、食感も脂の甘みもいっそう豊かに感じられる。いいネタにはいい仕事。「鳥テル」のネタのなかでも人気があるというのも納得だ。
ボリューム感のある砂肝、ささみ、せせり
そして、砂肝。焼鳥好きには釈迦に説法だろうけど、砂肝は鶏の胃だ。牛にも豚にもない内臓とあって、焼鳥屋に来るとつい頼みたくなる。
たっぷりと打たれた砂肝はサクサクッと軽やかな歯ざわりで、塩の当て具合もちょうどいい。それに、臭みもないからこれなら誰にも食べやすい。
砂肝、ささみと続いて、肉厚に打たれたせせり。やわらかな若鶏のなかでも、せせりはうまみ豊かな部位。それを口いっぱいに頬張れば、ぷりっと弾けるよう。若鶏をメインに扱う焼鳥屋なら、やっぱりせせりは欠かせないなぁ。
ちなみに「鳥テル」は注文する際に塩とたれのいずれかを選べる。せせりといえば塩が定番だけれど、これがたれ&七味も合うんだ。それを知っているがゆえに、おかわりするか、悩むところ……。
一品料理を頼むなら、鶏もつトマト煮!
種類は多くないものの、「鳥テル」には魅力的な一品料理もある。そのなかでも食べておきたいのが、鶏もつのトマト煮。バゲットを炭火で香ばしく焼き、その上にトマト煮込みをたっぷりと盛り付け。その煮込みも砂肝の銀皮をやわらかくなるまで煮込むなど、しっかり手間暇をかけているんだ。
焼鳥屋じゃなく、まるでイタリアンバールにでも来たかのような感覚に陥る一品。ビールとレモンサワーで繋いできたけれど、ワインで合わせるのも抜群だ。
カリッとした皮、しっとりつくねも必食
やっぱり、焼鳥屋に来たなら皮を求めてしまう……。外はカリッとして中はもっちりとした理想的な仕上がり。これもうまいなぁ。それに炭火で焼き上げられて余分な脂が落ちているから、何本でも食べられそうなくらい軽い。塩もよし、たれもよし。そう、いい焼鳥屋は皮がちゃんとうまい。
最後のつくねはまん丸として、見るからにきめ細かな仕上がり。塩つくねにわさびを添えて品よくまとまっている。頬張ればふっくらとしてジューシーな味わい。大衆的な焼鳥屋のつくねは、どちらかといえば粗めに挽いたつくねが多いだけに、このアプローチは意外なところ。
19時をまわる頃にはすっかり満席になるあたり、さすがは地元の繁盛店。店主の前島さんも焼き台に付きっきりで串を焼き上げていく。焼鳥は10種ほど、野菜串も5種ほどとはいえ、それを全てアラカルトで焼き上げていくのは簡単じゃない。まるで戦場ともいえる空間で、笑顔を絶やさない前島さん。
大衆的でありながら、今どきの焼鳥屋らしく1本ずつ丁寧に出してくれる。うまいし、お値頃。「本当に1本税込230円でいいのだろうか?」と心配になってしまうくらいだ。いやぁ、こういう店は貴重だ。
それに、前島さんの弟が店主を務める「焼鳥照喜」も新井薬師前駅にあることも見逃せない。焼鳥のネタも同じく税込230円とハイコスパ。中野区で、どちらも覚えておいて損はない町焼鳥だ。
▼冒険のおさらい
①焼鳥はアラカルトのみ
②焼鳥は10種ほどで、全て税込230円
③一品料理は鶏もつのトマト煮が必食
店舗情報
【店名】鳥テル
【最寄り駅】新井薬師前駅
【住所】東京都中野区新井5-23-6
【予約】03-3388-4647
【定休日】火曜
【串のアラカルト】あり