「せせり」好きに行ってほしい!ぷりっと鮮度抜群の焼鳥が1本150円~!最寄りは山手線・駒込駅
今回冒険するのは、東京都文京区の「ケムリ参」。最寄りは山手線・駒込駅で、駒込と田端を結ぶ田端銀座商店街にひっそりと佇んでいる。いわゆる、大衆焼鳥。名物は誰にも食べやすい「せせり」だ。
焼鳥は1本150円〜200円がほとんど
田端銀座商店街は昔ながらの個人商店が建ち並び、19時を過ぎていたこともあり、ほとんどの店がシャッターを下ろしていた。そんななか、ぼうっと灯る赤提灯。そこが目当ての焼鳥屋「ケムリ参」だ。
席に着き、とりあえずのビールで喉を潤す。早速メニューをのぞくと「串は2本からのご注文でお願いします!」の文字。そう、「ケムリ参」の焼鳥は"2本縛り"があるので、いろんなネタを味わいたければ、2名以上で訪れるのが吉だ。
ただ、焼鳥は1本150円〜200円ほどと手頃。しかもアラカルト注文のみとあって、好きなネタを好きなように食べられるのが嬉しい。なかでも、まず頼みたいネタがメニューの一番上に書かれている「み」、いわゆる「せせり」だ。
「ケムリ参」の焼鳥の主役はせせり
大ぶりに打たれたせせりは、噛めばぷりっと弾み、肉汁が溢れ出してくる。それに幅を持たせて打たれているから、最初のひと口目のインパクトが強いんだ。
うーん、これが150円で食べられるというのが驚き。焼鳥屋で主役になるネタといえばもも肉だけど、「ケムリ参」ではせせりというのが個性的。
続くねぎまも普通はもも肉を使うところ、せせりで。むちっとした弾力とねぎの香ばしさをたれが包み込むよう……。たれもさらっとして、変に甘くないのがいい。好みで七味をかければ、またひと口、またひと口と酒もすすむというもの。
焼鳥のネタは地域によっても呼び方が変わるから面白い。せせりなら「み」以外にも「ネック」や「首小肉」「そろばん」「つる」「きりん」と呼ばれることもある。せせりが一般的だとは思うけど、店にもそれぞれ、こだわりがあるのだろうな。
せせりの春巻をはじめ一品料理も多彩
焼鳥専門店ではなく焼鳥居酒屋だから、一品料理も豊富に揃っている。なかでもひと際目を引くのが「せせりミート春巻」。「ケムリ参」は焼鳥の主役にせせりを据えていることもあってか、当然のように、せせりを使う肴もあるわけだ。
ザクッとクリスピーに砕ける皮。中はよくある春巻とは異なり、せせりのミートソースがギュッと詰まっている。これがまた濃厚で、酒がすすむ、すすむ。ビールなんて最高の相性じゃないか。焼鳥の「み」といい春巻といい、せせり好きにはたまらない。
出合えればラッキー? 希少部位も
「ケムリ参」の焼鳥は基本、2本縛りではあるものの、希少部位に限っては1本からでも頼める。そもそも本数を用意できないというのもあるけれど、ハツモトはぜひ食べておきたいところ。
ハツは鶏の心臓だ。ハツモトはなかでも脂がのった「根元」だけを集めたネタで、1本を仕上げるのに何羽も必要な希少部位。ぷりっと豊かな食感、甘みのある脂……。これにたれが抜群に合うんだ。さらに七味をかければいっそう風味豊かに表情を変える。さっと1本食べて、ついつい、おかわり。
そして、銀皮。砂肝の青白い膜(銀皮)だけを打ったもので、コリッ、ゴリッと歯ごたえのある食感を楽しむネタ。硬いものが苦手な人には向かないけれど、呑兵衛にはたまらないんだよなぁ。
〆の酒は香り高く濃厚な黒ビールで。店の雰囲気は間違いなく赤提灯なのに、しれっと黒ビール(ハーフ&ハーフも可)を出すあたり、あなどれない。
名物のせせりをはじめ焼鳥をたっぷりと味わって、一品料理を気ままに摘んで……。どれも手頃な価格だから、ちょっと食べ過ぎたところで、驚くような会計にはならない。こういう大衆焼鳥、重宝するなぁ。
▼冒険のおさらい
①焼鳥はアラカルトのみ
②名物は150円~味わえる「せせり」
③ハツモトや銀皮など希少部位も
店舗情報
【店名】ケムリ参
【最寄り駅】駒込駅
【住所】東京都文京区本駒込5-47-5
【予約】03-3823-5155
【定休日】火曜
【串のアラカルト】あり