食欲の秋に知っておきたい、夕食が睡眠の質に悪影響を及ぼすケース3選を専門家が解説
さまざまな旬の食材が出回る秋は「食欲の秋」といわれるように食事に注目が集まる時期です。食事を楽しむことは大切ですが、一方で食事内容や時間帯が適切でないと睡眠の不調を引き起こす可能性もあります。
・なぜ「食欲の秋」といわれているの?
諸説あります。旬の食材が出回り始めるため、夏バテが解消されるため、などが考えられますが、その他にも、気温低下による基礎代謝が上がるため、寒い冬に向けてエネルギーを補給するため、睡眠不足などにより食欲ホルモンのバランスが崩れるため、なども考えられます。
睡眠時間が短かったり睡眠の質が低下したりしている場合、食欲を増加させるホルモンが増え、食欲を抑制させるホルモンが減る傾向になることがわかっています。つまり、睡眠が不十分だと食欲は増加傾向です。過度な食欲の増加は、睡眠不調の可能性もあるので注意が必要です。
・夕食が睡眠の質へ悪影響になるケース3選
❶消化しきれないまま就寝
夕食と就寝時刻が近い場合、たくさんの量や消化に時間がかかる食事を摂った場合は、消化が不十分のまま寝付くことになります。体は消化器が働いているために自然な眠気が起こりにくい状態ですし、翌朝の胃もたれや、消化不良、逆流性食道炎のリスク上昇にもつながりかねません。
食事内容や量にもよりますが、理想的な食事時間の目安は就寝の約3時間前です。夕食が就寝時刻と近くなってしまう場合は、消化に時間のかかる食事は控えましょう。食物繊維の多いキノコ類、海藻類、豆類など、さらに脂肪分の多い揚げ物やアイスクリームなどは消化に時間がかかりやすいので要注意です。
❷血糖値が上がったまま就寝
食事を摂ることで、一時的に血糖値が上昇します。血糖値が上昇している状態では自然な眠気は起こりにくいでしょう。
昼食後などに「食後に眠くなる」ことがあると思いますが、これは食事により一旦上昇した血糖値が下がっている状態で眠気が起こりやすくなっています。
寝る直前の食事はもちろん、寝る前のスイーツやジュースなど血糖値が上昇しやすい食事は控えましょう。
❸過度な空腹状態で就寝
空腹状態でも睡眠の質には悪影響です。
空腹の場合、血糖値が低下している可能性があります。寝つきにも影響がでますし、就寝中にさらに血糖値が下がり「夜間低血糖」を引き起こしてしまうことも考えられます。夜間低血糖の主な症状は、睡眠の質の低下、歯ぎしり、体のこわばり、寝汗などです。
ダイエットなどで夕食を控えている方は、浅い睡眠状態であったり、夜中に気付かず歯ぎしりをしてしまったりしているかもしれません。就寝時、夜間の低血糖状態には気をつけましょう。
さいごに
夕食は睡眠の質に良くも悪くも影響をもたらす可能性があります。適切な食事内容を適切な時間帯に摂るように心がけましょう。
ただし、睡眠不調を引き起こす原因は食事だけではありません。過度な睡眠の不調は、治療が必要な場合もありますので、一人で悩まずに医療機関へ相談も検討しましょう。