ウエスタン初の“甲子園ナイター3連戦”は2勝1敗 最後は救援陣がキラリ!《阪神ファーム》
8年前の2009年7月18日に、初めて甲子園でナイター開催されたウエスタン・リーグ公式戦。その時は、まだまだ暑い17時プレーボールでした。翌2010年も1試合だけ17時開始のナイターは予定されていたのですが、残念ながら雨天中止。2011年も1試合あり、やはりソフトバンク戦。2012年は初めて、4月28日と6月30日 (ともにソフトバンク戦。ソフトンバンクが多いですね!) の2試合が組まれたものの、6月は中止になっています。4月の方は寒かった記憶が…。
2013年と2014年はナイターでの試合はなし。2015年は、1試合だった7月4日の中日戦が中止に。昨年は7月22日からの中日3連戦のうち、22日が初の18時開始ゲームになったのです!23日は17時、24日は13時開始で、2試合続けてナイターというのも初めてです。そして、ことしはなんと3試合とも18時開始。ありそうでなかったことですねえ。
今はタマスタ筑後や、他の球場でナイトゲームが行われているため、選手もそれほど違和感はないでしょう。でも小虎たちにとって甲子園のナイターは、イコール1軍!満員のお客様が囲む、ライトに照らされたグラウンドはどんなだろうと、これを機に思いは強くなったはずです。きょう見た景色とはまた違う、あの場所へ――と。
3安打、13三振で負けました…
そんな甲子園で行われた、今回のソフトバンク3連戦。ちなみにお客様は3070人、4040人、3010人で合わせて10120人でした。21日が2年目・竹安投手のプロ初勝利。22日はルーキー・才木投手のプロ初勝利で2連勝!でも23日は4対1で敗れ、オールスター前からの連勝は3でストップ、3月24日から28日以来となる今季2度目の4連勝はならず。ソフトバンクとの対戦成績も10勝10敗としていたのに、また1つ負け越しです。
青柳投手は3回までノーヒットでしたが、味方や自分自身のエラーも絡んで4失点(自責0)。打線はキャンベル選手の2本と荒木選手の1本、計3安打でキャンベル選手の犠飛で挙げた1点のみ。9回を除く毎回の計13三振ってのが、堪えますねえ。
《ウエスタン公式戦》 7月23日
阪神-ソフトバンク 21回戦 (甲子園)
ソフ 000 130 000 = 4
阪神 001 000 000 = 1
◆バッテリー
【阪神】●青柳(2勝4敗)-守屋-石崎-山本-田面 / 長坂-小宮山(8回~)
【ソフ】飯田(2回)-○小沢(5勝3敗)(3回)-笠谷(1回)-島袋(1回)-S寺原(2勝1敗2S)(2回) / 斐紹
◆二塁打 曽根、キャンベル
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]中:江越 (4-0-0 / 4-0 / 0 / 0) .114
2]二:荒木 (4-1-0 / 1-0 / 1 / 0) .429
3]左:キャン (2-2-1 / 0-1 / 0 / 0) .277
4]三:陽川 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 1) .256
5]一:新井 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .309
6]右:森越 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .204
〃打:今成 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .208
7]捕:長坂 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .161
〃投:山本 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃投:田面 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
8]投:青柳 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .200
〃打:緒方 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .212
〃投:守屋 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃投:石崎 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打捕:小宮 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .180
9]遊:植田 (2-0-0 / 0-1 / 1 / 0) .204
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
青柳 5回 93球 (5-4-1 / 4-0 / 3.08) 142
守屋 1回 9球 (0-1-0 / 0-0 / 4.95) 149
石崎 1回 8球 (0-2-0 / 0-0 / 4.57) 155
山本 1回 6球 (0-0-0 / 0-0 / 1.09) 134
田面 1回 17球 (1-1-0 / 0-0 / 9.35) 142
<試合経過>
青柳は1回、2回と三者凡退で立ち上がり、3回は1死後にサードの送球エラーで出した8番・曽根を、捕逸で二塁へ進めますが後続を断って無失点。打線は1回にキャンベルの死球、2回は森越の四球で出塁しただけでしたが、3回は先頭の植田が四球を選び、続く江越の三振で二盗成功。荒木の右前打で1死一、三塁としてキャンベルが右犠飛!1点を先取します。
しかし4回、青柳は先頭の川瀬がバントした打球を一塁へ送るも、走ってくる打者走者と重なったのか新井が捕れず(記録はファーストの捕球エラー)、塚田の中前打で無死一三塁となり、1死後に5番・斐紹の左犠飛で同点。追いつかれました。
5回にも先頭の曽根に右翼線二塁打を浴び、送りバント失敗で1死としたあと、1番・真砂の投ゴロを捕った青柳が今度は一塁へ悪送球(余裕を持ってのスローイングが大暴投…)。これで曽根を還し、真砂も三塁へ進めてしまいます。続く川瀬の打球をショート植田がよく止めてアウトにしたものの、その間にもう1点追加され3対1。
さらに塚田へは四球、長谷川勇に中前打されて2死一、三塁となり、斐紹が右前タイムリー。これを走りながら捕って投げようとしたライトの森越ですが、ボールを置き去りにしてしまうエラーで斐紹を三塁まで進めました。でも釜元を左飛に打ち取って5回を投げ終えた青柳。その裏に代打を送られて交代です。
6回は守屋が登板して7番からを三者凡退!最速149キロの真っすぐなどを含む9球で、変化球は曽根から空振り三振を奪ったものを含め2球だけでした。7回は石崎が1番から2奪三振で三者凡退!こちらは真っすぐのみで8球、最速は155キロです。
そして8回は山本と小宮山のバッテリー、内野ゴロ3つでこれまた三者凡退!わずか6球で片付けています。9回は田面が登板。1死から曽根に右前打されたあと二盗、三盗と立て続けに決められるも、古沢を空振り三振に、最後は真砂を三ゴロに仕留めて無失点でした。
なお3回に1点を先取した打線はその後、キャンベルしかヒットを打っておらず、それ以外に出塁もありません。4回と5回が三者凡退。6回は笠谷からキャンベルが中前打しますが、アウトは3つとも空振り三振。7回は島袋の前に三者凡退という内容。
8回も寺原に対して三者凡退。9回は先頭のキャンベルが左翼線二塁打したものの、陽川は投ゴロ、新井は三ゴロで進塁すらできず、最後は代打・今成の投ゴロで試合終了です。
試行錯誤しながら前へ 青柳投手
掛布雅之監督の談話からご紹介しましょう。「青柳に関して、ピッチングの内容はそんなに悪くなかった。プレートの(立ち)位置をサード側へ変えたというか、もともと三塁側から一塁側にしていたのを、また戻したと聞いています。内容は比較的よかったと思いますよ。新井良太のエラーになったところは、良太に捕ってやってほしかったかな。野手が助けてあげなきゃいけないとこもある。次の青柳の悪送球は、強く投げればよかったんだけど。フワッとじゃなくて、投球のように強くね」
最後にもう一度、青柳投手の投球に「内容は悪くなかったんじゃないの」と繰り返しています。
次に、久保康生投手コーチです。「青柳はボール自体も、投げている形もよくなってきたよ。今、変更しているのはプレートの立ち位置。サイドからでもボールの角度がつきやすく、クロスするように。リリースポイントを長く引っ張ってくるため、三塁側に立って投げています」
青柳晃洋投手は「悪くなかったけど、自分のミスが点につながってしまったので…。ピッチング以外のことがもったいない」と悔やんでいました。掛布監督と久保コーチのいう“プレートの立ち位置”は、もともと三塁側だっだものを春季キャンプの際に一塁側へ変えていたそうで、久保コーチの勧めもあって今回また三塁側へ戻したと言います。
「一塁側だと腕を最後まで振りきれなくて、でも三塁側なら振り切らないとゾーンに入らないので、強いボールを投げられる。角度がつくようにと思って。とりあえず三塁側で、継続してやっていくつもりです」
石崎投手、山本投手「これを継続したい」
続いて、パーフェクトリリーフを見せた3人のうち、山本投手と石崎投手のコメントです。
山本翔也投手は7月20日に登録を抹消され、これがファームでは6月14日以来の登板です。石崎投手の155キロのあとだったけど「甲子園は左ピッチャーのスピード、出にくいから」と涼しい顔。そう、球速は関係ないですね。ナイスピッチングでした。再昇格に向け、こんな風に話していました。
「チャンスは少なくても、ゼロに抑え続ければ。文句を言わせないくらいの結果を出さないとダメですからね。きょうは、いい入りができたので、これを続けます!」
続いて、石崎剛投手に全球ストレート?と聞いたら「はい!おとといはスライダーを2球だけ投げましたが、きょうは全部まっすぐです」と答えたあと「疲れました…」と言いながら苦笑い。152キロから155キロの8球ですもんね。しかも気合いの入り方がすごかった。155キロは「自己最速タイです。1軍では出ていないですね」とのこと。
155キロはルーキーイヤーの2015年7月26日、ウエスタン・オリックス戦(富田林)でマークしました。そのせいか、記者から「都市対抗の時期になると上がってくるのかも?」と振られて「それはないと思いますけど(笑)。でも夏はやっぱり体が動くからでしょうね」と石崎投手。「いいピッチングができているので、継続します!」と締めくくりました。
植田選手がトップに!藤浪投手は由宇へ
最後に、このソフトバンク3連戦で2つ盗塁を決め通算16個、リーグ単独トップとなった植田海選手。初戦で真砂選手と釜元選手に並び「残り2試合で抜く」という公約を果たしたのですが、コメントをもらうタイミングがありませんでした。ただ試合後に「トップになったねえ」と声をかけたら「はい!」と、いい笑顔で答えてくれたことは書いておきます。
守備でもいい仕事っぷりだし、左打席でも大きい当たりが増えてしたし、ことしは『植田海の夏』にしてください。
もうひとつ、おまけです。掛布監督が藤浪晋太郎投手について「由宇へ連れていきます。そんなに悪くないし、本人もマウンドに上がると言ってるから。リリーフになると思う」と話しています。あす25日からの広島3連戦で、先発ではなく短いイニングを投げるようですね。2試合になるか、3試合とも投げるかはわからないとのことでした。