同地区のドジャース、Dバックス、ジャイアンツが大物を手に入れているのに、パドレスの補強は…
今オフのFA市場に出て、ここまでに1億ドル以上の契約を得た選手は5人いる。
そのうちの2人は、ニューヨークの球団に迎えられた。外野手のホアン・ソトは、15年7億6500万ドル(2025年~39年)の契約でニューヨーク・メッツへ。先発投手のマックス・フリードは、ニューヨーク・ヤンキースと8年2億1800万ドル(2025~32年)の契約を交わした。
彼ら以外の3人が加わったのは、いずれも、ナ・リーグ西地区の球団だ。先発投手のブレイク・スネルがロサンゼルス・ドジャース、こちらも先発投手のコービン・バーンズがアリゾナ・ダイヤモンドバックス、遊撃手のウィリー・アダメスはサンフランシスコ・ジャイアンツに入団。それぞれ、5年1億8200万ドル(2025~29年)、6年2億1000万ドル(2025~30年)、7年1億8200万ドル(2025~31年)の契約を手にした。
ドジャースは、外野手のマイケル・コンフォートも入手し、FAになった外野手のテオスカー・ヘルナンデスとリリーバーのブレイク・トライネンも呼び戻している。ダイヤモンドバックスは、トレードにより、一塁手のジョシュ・ネイラーをクリーブランド・ガーディアンズから獲得した。
一方、ナ・リーグ西地区のあと2球団、コロラド・ロッキーズとサンディエゴ・パドレスは、今のところ、大物を手に入れていない。
ロッキーズは、2019年から6シーズン続けて負け越し、直近の2シーズンは100敗以上を喫している。ポストシーズン進出をめざすのは、来シーズンではなく、もっと先だろう。
パドレスは、ここ5シーズンに3度、いずれも偶数年にワイルドカードをゲットしている。2024年の93勝は、パドレス史上2番目に多く、ドジャースには8勝5敗と勝ち越した。また、ドジャースと対戦したディビジョン・シリーズは、最初の3試合で2勝を挙げ、ドジャースをあと1敗で敗退のところまで追い込んだ。
今オフ、パドレスからFAになった選手は少なくない。レフトのジャリクソン・プロファーと遊撃手のハソン・キム、77試合でスタメンマスクのカイル・ヒガシオカ……。夏のトレードで加入した、リリーバーのタナー・スコットと先発投手のマーティン・ペレスもそうだ。ヒガシオカは、テキサス・レンジャーズと2年1350万ドル(2025~26年)の契約を交わした。
さらに、3シーズン続けて首位打者のルイス・アライズ――パドレス加入は今年5月。ポジションは一塁とDHと二塁――や先発投手のディラン・シースを、トレードで放出する可能性もあるようだ。サンディエゴ・トリビューンのケビン・エイシーが、そう報じている。
もっとも、パドレスの動きは、解体→再建ではないはずだ。三塁手のマニー・マチャドとライトのフェルナンド・タティースJr.に、来シーズンは二塁から遊撃へ戻る予定のザンダー・ボガーツとは、いずれも10年以上の長期契約を交わしていて、少なくとも2033年が終わるまではFAにならない。センターには、2024年にメジャーデビューしたジャクソン・メリルがいる。先発投手のうち、ダルビッシュ有の契約が満了するのは2028年だ。来シーズンは全休のジョー・マスグローブも、2027年まで保有できる。
トレードがあり得るのは、年俸総額のやり繰りが理由だろう。
アライズとシースは、来オフにFAとなる。先発投手のマイケル・キングも、彼らと同様だ。エイシーは、2025年のいずれかの時点で、パドレスがメリルとキング、あるいはその一方と長期の延長契約を交わそうとするかもしれない、と書いている。
昨オフ、パドレスは、ソトとトレント・グリシャムの両外野手をヤンキースへ放出し、その見返りとして5人の選手を得た。そこには、キングとヒガシオカが含まれていた。キングは、2024年に173.2イニングを投げ、防御率2.95を記録した。ヒガシオカは、マスクをかぶって投手をリードしただけでなく、17本のホームランを打った。そのペースは、14.47打数/本だ。また、開幕直前にシカゴ・ホワイトソックスからシースを獲得した際には、ソトのトレードで手に入れた先発投手のドルー・ソープを交換要員の一人とした。
今オフも、パドレスがこういったトレードを仕掛けても、不思議ではない。