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【英会話】思ったことを正直に書くことだよ って言ったら、首を振られた。どこがおかしい?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほど仕事で英語を話していますが、言い慣れていることでもちょっとした油断で、変な英語になってしまうことが、まだまだあります。英語として言葉が足りないことが多いんですが、たまに逆のこともある。頭痛が痛い みたいに多すぎるパターンがあるんです。Native English Speakerの情報量のあんばいはムズイですねぇ。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は、読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。

大切なことは、思ったことを正直に書くことだよ

 お正月につきものというと、初詣に、お雑煮、凧あげ(最近は見ないかな?)、酔っ払いと相場は決まっているものですが、Native English SpeakerたちとShogatsu holidays に会うと意外と訊(き)かれるのが、新年の抱負ってやつです。
What is your New Year's resolution?
という言い方をしますが、さすが万物(タ・パンタ)を利用して理想にいたるという考え方を根底に持っているNative English Speaker。目標(理想)は持ちたいんですね。
 私自身は、同郷のタモリさんをまねして抱負を持たないのが抱負とか、フッサールの目の前のことに集中することとか、毎年言ってるんでNative English Speakerの友人たちに飽きられているんですが、このあいだこんなことを訊かれた。
 あたし、日記を書くのを今年の抱負にしようと思うんだけど、なんかコツある?
 彼女、私が日記っぽいメモを取っているのを知っていたんです。まぁ、あくまで日記っぽいものなので毎日は書かないんですが、ちょっと記憶に残しておきたいエピソードがあると書いている。それが続いているコツを教えて欲しいらしい。
 まぁ、秘密することでもないんで、さらっと、

The most important thing is to write honestly what I think. (大切なことは、思ったことを正直に書くことだよ)

 って言ったんですが、そしたら、彼女、首を傾げる。友人のRichならバッサリ首を振って、ちょっと変だよ と言ってくるところです。
 みなさん、私の言った英語、どこがおかしいかお気づきでしょうか?

 彼女に訊いてみると、首を傾げたのはちょっとくどいと思ったからだそうで。私としては、なにがくどいのかと首を傾げる。普段は具体性が足りないと言われがちなんで、詳しくすればいいというのは慣れてるんですが、量を減らすというのがぴんと来ない。

 ちょっと詰まっちゃった私に彼女が言ったのが、
「だって、正直に と言ってるんだから、書くことは自分の思っていることに決まってるわ」
 ですって。
 なるほど、確かにそうですね。正直に人の意見を書く ってことは考えられません。正確に人の意見を書く ってことはあるでしょうけど。

 ああ、ここにも英語独特の現実を正確に表現しようという特徴があらわれています。日本語にはない厳密な表現を身に付けるのも、英会話の効用の一つです。ビジネスシーンでも役に立ちますよ。もし、新年の抱負が決まってない方は英会話もいいかもしれません。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 おっと、正しくはどういうべきだったかを書き忘れるところでした。私が言うべきだったのは、
The most important thing is to write honestly.
です。what I think を削ってください。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスターし、学芸大附属・ICU高校・早稲田高等学院・慶応高校・渋谷幕張・早稲田大学・慶応大学など有名高校・大学に多くの生徒を合格させる。その実績を買われ、英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職。担当した1600名の受講生のVERSANTのスコアの平均伸長点は5.3を超え、3か月の最高伸長点は21を記録する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任し、受講生の英会話力向上に尽力し、業績を伸ばす。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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