生々しくもドラマチック! 匠の技と技術が織りなす日本の伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」
阿波十郎兵屋敷の展示室人形浄瑠璃とは、義太夫節で物語を語る太夫(語り手)と三味線(伴奏)、3人遣いの人形によって演じられる人形芝居です。
人形は1体につき3人で操作し、頭・右手・左手・足などの細かい動きで感情を表現します。
人形浄瑠璃の演目には、人間の感情や生き様を描く生々しくもドラマチックな物語が多いのが特徴です。
野外で楽しむ!ひと味違う阿波人形浄瑠璃
日本各地で公演される人形浄瑠璃のなかでも徳島県で公演されている「阿波人形浄瑠璃」は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
阿波人形浄瑠璃とは、「農村舞台」と呼ばれる神社の境内に建てられた人形浄瑠璃専用の野外舞台で披露されるものです。
県内には「犬飼農村舞台」や「小野さくら野舞台」など80以上もの農村舞台が現存しており、その数は全国一。
野外舞台にあわせてアレンジした脚本や演出のほか、頭部を大きくした人形や大振りな動きなど、ひと味違う人形浄瑠璃を鑑賞することができます。
農村舞台での公演は年に数回しか開催されていませんが、徳島県立 阿波十郎兵衛屋敷では阿波人形浄瑠璃が毎日上演されており、室内での鑑賞が可能です。
ぜひご覧ください。
■徳島県立 阿波十郎兵衛屋敷
【住所】徳島県徳島市川内町宮島本浦184
現代でも活躍する阿波の人形師たち
人形浄瑠璃は、1596年~1615年頃に淡路島から阿波(現在の徳島県)に伝わったとされています。
人形浄瑠璃の全盛期には、1日千両もの大金が動くといわれた歌舞伎をも凌ぐ人気を博したそうです。
そんな人形浄瑠璃を陰から支えたのが、人形作家として5本の指に数えられる「初代・天狗久」やその甥の「2代目・天狗弁」。
阿波で生まれ育ち、阿波の人形師として制作した人形を大阪や江戸に流通させました。
現在では、阿波木偶人形会館の創設者でもある「初代・人形健」が阿波の人形師の技術を受け継ぎ、後継者となる2代目と3代目が人形制作を行っています。
こんな魅力も
阿波十郎兵衛屋敷のすぐ近くにある阿波木偶人形会館には、7人がかりで操る巨大な人形「酒呑童子」や、世界一の頭の大きさを誇る人形「ジャンボ頭」など、ここでしか見られない個性あふれる人形が展示されています。
また、精巧に作られた頭部やカラクリなど人形の仕様についても学ぶことができ、見どころ満載です。
あわせて、お立ち寄りください。
■阿波木偶人形会館
【住所】徳島県徳島市川内町宮島本浦226-1