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ゴールデン・グラブの「外野独占」。3人ともチームメイトは2度。同じ3人の連続受賞は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
稲葉篤紀(左)と森本稀哲/2017年のWBC Mar 10, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 同じ球団で外野を守る3人が、揃ってベストナインに選出されたことは、これまでに一度もない。一方、ゴールデン・グラブの揃い踏みは、2度起きている。1978年のパ・リーグは、阪急ブレーブスの福本豊簑田浩二バーニー・ウイリアムス、2006年のパ・リーグは、北海道日本ハムファイターズの森本稀哲SHINJO(新庄剛志)、稲葉篤紀が受賞した。ちなみに、ベストナインと比べると、ゴールデン・グラブの歴史は20年以上も短い。1972年にダイヤモンドグラブとして始まり――外野に阪急の3人が揃った当時はこの名称――1986年からゴールデン・グラブとなった。

 外野手3人中2人がチームメイトは、ベストナインが41度(セ24度、パ17度)、ゴールデン・グラブは42度(セ18度、パ24度)だ。どちらの賞も、直近は2018年のセ・リーグ。ベストナインは広島東洋カープの丸佳浩(現・読売ジャイアンツ)と鈴木誠也、ゴールデン・グラブは中日ドラゴンズの大島洋平平田良介が受賞した。残る1人は、それぞれネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)と丸だった。昨年のように、ゴールデン・グラブの外野手が、セ・リーグの3人もパ・リーグの3人も球団が異なるのは(6球団から1人ずつ受賞するのは)、2015年以来のことだ。

 また、球団を問わず、同じ3人が続けて受賞することも、ゴールデン・グラブは割と多い。ベストナインは3年連続が1組、2年連続が5組。最後は、2018~19年の丸と鈴木とソトだ(丸は2018年が広島東洋、2019年は読売)。それに対し、ゴールデン・グラブは3年連続が4組、2年連続は7組に上る。こちらの最後は、2017~18年の秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ/現シンシナティ・レッズ)、柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)、西川遥輝(北海道日本ハム)だ。彼らのうち、秋山と西川は2019年も受賞したが、柳田は38試合しか出場できず、あと1人の受賞者は荻野貴司(千葉ロッテマリーンズ)だった。もっとも、荻野の得票は2位。199票の秋山には及ばなかったものの、168票を得て、141票の西川を上回った。

筆者作成
筆者作成

 なお、内野手のゴールデン・グラブについては、こちらで書いた。

ゴールデン・グラブの「内野独占」は4度。1992年の西武はベストナインの内野も制覇

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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