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イランが撃墜した米無人偵察機RQ-4 アメリカ現地の反応と今後の対応は?

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
撃墜された米監視ドローン(無人偵察機)RQ-4の同型機。(写真:ロイター/アフロ)

アメリカが飛ばしていた監視ドローン(無人偵察機)が6月20日未明、イランの革命防衛隊に撃墜された。

アメリカ政府は「Unprovoked Attack」(挑発されたわけでもないのに行う一方的攻撃 )だと強く非難し、トランプ氏も「イランは非常に大きな間違いを犯した!」とツイート。「イランへの返答はそのうちわかる」と、意味深な声明も発表している。

アメリカ政府の発表では、撃墜された監視ドローンは「国際空域を飛行していた」としているが、イランは「イラン領空を飛行していた」と発表。双方の言い分に食い違いが生じており、2国間関係が一触即発の事態になってきた。

撃墜されたのはアメリカではドローンと呼ばれるものだが、いわゆる通常の小型ドローンとは違い、飛行機のようにかなり大きな飛行物体だ。日本語で「無人偵察機」という表現の方がしっくりくる。

アメリカ政府の発表によると、このドローンは、米軍が所有するRQ-4グローバル・ホーク(Global Hawk)と呼ばれるもので、撃墜されたRQ-4は、イランの海岸から21マイル(34キロメートル)離れた国際空域で5万フィート(15キロメートル)上空を飛行していたという。イランが公開したビデオについて「撮影できる距離ではない」と主張している。

アメリカ国防総省の資料によると、RQ-4は全長14メートルで、20キロメートル上空を24時間以上飛行することができるそうだ。撃墜されたRQ-4はこれまで25万時間以上の飛行歴があり、イラン、アフガニスタン、北アフリカ、アジア太平洋地域を飛行してきた。価値は1億2,300万ドル(約132億円)相当だという。

この日、ニューヨークの筆者の周りで、RQ-4撃墜のニュースについて触れる人はいなかったものの、トランプ氏の「イランは大きな間違いを犯した」というツイートには、「最悪の事態になるかもな」「戦争をしたいのはあなただけ。我々の同盟国は誰も戦争を望んでいない」「あなたは不必要な戦争を、また私たち(国民)にさせようとしているだけ」と、戦争回避のリプが目立つ。

アメリカの「人々」は、誰もAnother(また、さらなる)戦争なんて望んでいない。トランプ氏が言う「返答はそのうちわかる」とは、一体どういうことを意味するのか?

(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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