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郷田真隆九段「途中から自信がある局面はなかったですね」B級1組、藤井聡太三冠戦終局後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

郷田真隆九段「(中盤は)いやちょっとよくわからなくて。もちろん、前例があるのは知ってたんですけれども。自分では、こんなもんかな、と思って指していたんですけれど。ちょっと(50手目)△4一飛車から△6四歩というふうに辛抱されたあとの指し方がちょっとわからなかったですね。本譜も自然な流れかな、と思っていたんですけれども、△4五歩と突く形が想像以上に、うーん、厳しかったですね。ただまあちょっと、どういう対応をすればよかったのかっていうのは、すぐにわからないんで。そうですね、準備段階でもうちょっと考えておかなければいけなかったのかもしれません。(49手目▲8二歩で1時間12分の長考をして、以下も小刻みに時間を使って考えていたが)そうですね・・・。歩得みたいな形ですかね。歩得で・・・。まあゆったりした展開で、その歩得を活かせるような展開になるかどうか、というところですけれどね。△4五歩から来る手がやっぱり、かなりの手だったんで。ちょっと夕食休憩のときはあまり自信がなかったんで。そうですね、その手前をどうすればよかったのかな、という感じはしました。(73手目▲2四歩に相手は長考して△同銀)歩を突いたところは夕食休憩で自信が・・・。まあ(△同銀か△同歩か)どちらで取られてもあまり自信がなかったです。本譜はより苦しいかな、という感じで。やっぱり打った角が8六にいたままで使いにくくて、負担になってしまいましたね。どうにもちょっと、攻めてるような、なんていうんですかね、腰が入ってない攻めになってしまったんで。途中からちょっと自信がある局面はなかったですね。(今期B級1組はこれで3勝4敗)まだ先はたくさんありますんでね。また一局ずつがんばっていきたいです」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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