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復活なるか!ミドル級の命運を握る 元統一王者ゴロフキンが再起戦

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

ミドル級の絶対王者であった、元3冠統一王者のゲンナジー・ゴロフキンが、6月8日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで、

19戦全勝のスティーブ・ロールズ(カナダ)を相手に試合を行うことが決まった。

昨年9月に、メキシコのカネロ・アルバレスとの再戦で、判定負けをしてからの復帰戦となる。

12年間無敗!ミドル級絶対王者ゴロフキン

ゴロフキンは、WBA世界ミドル級王座を連続20度防衛(17連続KO勝ちを含む18KO)と圧倒的な強さを誇っている。

強靭な肉体を武器に、プロアマ通じてノックダウン、KO負けの経験がない。

また、アマチュア戦績は350戦345勝5敗、世界選手権金メダル、アテネオリンピック銀メダルという輝かしい実績もある。

180cmの長身から放たれるジャブが特徴で、技術レベルは非常に高い。パワー、技術、スタミナと総合力が高く、打たれ強くもある。

以前、一緒に合宿したという、村田諒太に話を聞いたことがあるが、練習量もズバ抜けているようだ。強靭な肉体はハードなトレーニングから生まれるのだろう。

プロでは、40戦38勝(34KO)1敗1分と、カネロに負けるまで、12年間無敗でミドル級で最強王者として君臨していた。

カネロとの因縁の戦い

カネロとは、2017年9月に初対戦し、非常に拮抗した試合で、引き分けに終わった。だがこの試合で、現地のボクシングメディアや関係者のほとんどがゴロフキンの勝利と採点し、物議を醸した。

2018年の5月5日に再戦が決定したが、カネロが試合前のドーピング検査で陽性反応が出たことを理由に、再戦は中止されることになった。

その後、同年の9月にカネロと再戦し、判定負けでプロキャリア初の敗北となった。

気になるのは年齢と肉体的な衰え

ボクシングは非常に心技体の「心」の部分が重要だ。勝ち続けてきた、という自信が選手を強くする。

一度負けると、自分のスタイルを見失い、ボクシングが崩れてしまう事がある。その様なケースを何度も見てきた。

また、ゴロフキンも、今年で37歳を迎えた。耐久力や体力面など、肉体的な衰えは出てくるだろう。

どんなに強い選手でも、加齢の影響はある。年齢が上がるにつれて、回復力が落ち、減量やコンディションの調整も難しくなるのは否めない。

莫大な金額が動くミドル級

ミドル級はスターが集まる注目の階級だ。

メキシコのスーパースターで、WBAスーパー、WBC正規王者のカネロ・アルバレスを頂点に、

IBF王者のダニエル・ジェイコブス(アメリカ)

WBO王者のデメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)

WBC暫定王者に無敗のジャーモール・チャーロ(アメリカ)

また、村田諒太からタイトルを奪った、WBAレギュラー王者のロバート・ブラントもいる。

ビッグマッチが多いアメリカでも人気の階級だ。

カネロは、5月にIBF王者のジェイコブスと対戦し、ミドル級3冠統一戦を行う。ここに、ゴロフキンがどのように絡んでくるかが、注目となる。

ゴロフキンは、スポーツ動画ネット配信のDAZN(ダゾーン)と、3年6試合の大型契約を結んだ。そこから初の試合となり、カネロとの第3戦も視野に入れた復帰戦に注目が集まる。

カネロもDAZNと5年間で11戦、総額3億6500万ドルの超大型契約を結んでいる。莫大な金額が動くミドル級マーケットは、ボクシング界でもトップクラスだ。

超人的な強さを見せてきたゴロフキンが、今回の復帰戦でどのようなパフォーマンスを見せるか。カザフスタン出身ではあるが、アメリカでの知名度もあり、人気も高い。

ゴロフキンが復活を遂げれば、ますますこの階級が熱くなっていき、ビッグマネーを生み出していくだろう。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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