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兄は巨人の現役右腕。ソフトバンクの19歳左腕、笠原が飛躍の好投!

田尻耕太郎スポーツライター

釜元先制弾も逆転負け。阪神は福原、久保田が登板

27日、雁の巣球場のウエスタン・リーグ公式戦でソフトバンクは阪神と対戦した。

阪神     000000020 2

ソフトバンク 001000000 1

【戦評】

ソフトバンクは痛い逆転負けを喫した。3回に釜元がセンターバックスクリーンへ今季1号を放ち先制。2軍初先発の笠原が6回2安打無失点と好投した。しかし、5回裏の1死三塁の好機を生かせず流れを手放すと、8回に3番手の金無英が北條、狩野に連続タイムリー長打を浴びた。なお、阪神は右内転筋痛でファーム調整していた福原と、今年2月に右肘関節形成術を受けた久保田がウエスタン初登板。ともに1回無失点と好投した。

笠原が2軍ローテ争いに加わる!

【雑感】

ソフトバンクは高卒2年目の左腕、笠原大芽が好投した。6回無失点。被安打2、奪三振5、与四球3の内容。4回表の先頭打者への四球、6回表の連続四球を反省点にあげていたが、全体的にはまとまっていた。石渡茂2軍監督も「四球を与える場面はあったが、基本的にはフォアボールの心配のないピッチャー」と評価。山内孝徳ファーム投手チーフコーチは「自分の力で次の機会も勝ちとった」と称賛した。

笠原はこれが2軍で初めての先発。ルーキーの昨季は2軍登板なし。3軍では21試合に登板。61.1回を投げて、3勝3敗、防御率3.67の成績だった。今季は3軍でチーム最多の41イニングに登板。同1位の5勝(2敗)と成長の跡を見せていた。

1月の自主トレは五十嵐亮太に弟子入りする形でアメリカへ渡った。体重が増え、高校時代の真っ直ぐの最速は145キロだったが、現在は147キロまで伸びて、特にコンスタントに140キロ中盤の直球が投げられるようになった。もともと持ち味だった緩いスライダー(スラーブ)、プロに入って新たに覚えたツーシームやフォークも生きている。

地元福岡市出身ということもあり、期待が高い若鷹。また、父が元ロッテドラフト1位投手(栄一さん)、兄は巨人の現役右腕の笠原将生である。すでに1軍で活躍している兄に追いつき、追い越すという目標を心の中にしまい、今日のこのマウンドで得た結果と自信で1軍デビューの夢に確実に前進した。さらなるステップアップを期待したい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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