Yahoo!ニュース

【インタビュー】藤井フミヤ 激動の年を締めくくる、カウントダウンライヴへの想い

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
9月21日東京国際フォーラムホールA

今年もカウントダウンライヴ情報が出そろい、桑田佳佑が4年ぶりに横浜アリーナで行うことが発表され注目を集め、福山雅治は今年もパシフィコ横浜、flumpoolも大阪城ホールで行う。ベテランT-BOLANは、豊洲PITで『一夜限りのカウントダウンLIVE』を行い、高橋みなみはソロデビューして初めてのカウントダウンライブを地元の東京・八王子(オリンパスホール八王子)で行うなど、この他にも全国各地で様々なカウントダウンライヴ、イベントが行われる。

今年4年ぶりのオリジナルアルバム『大人ロック』を、デビュー以来初めてインディーズからリリースし、話題を集めた藤井フミヤも2年ぶりに日本武道館でカウントダウンライヴを行う。現在、このアルバムを引っ提げての2年ぶりの全国ツアーを敢行中で、デビュー記念日の9月21日に行った東京国際フォーラム・ホールA公演で、カウントダウンライヴの開催を発表した。発表から数日後、藤井に改めてカウントダウンライヴへの想い、意気込みを聞いた。

2年ぶりに日本武道館でのカウントダウンライヴ開催を発表

――東京国際フォーラムライヴで、2年ぶりのカウントダウンライヴを発表しました。やっぱり日本武道館でのカウントダウンライヴは、フミヤさんにとって特別なものですか?

画像

藤井 カウントダウンというだけで特別なのですが、ファンの人も自分も、ここに来る事ができるということは今年も無事に終えることができてよかった、年が明けたら、さあまた今年も頑張るぞって思う感じがいいんですよね。

――2年ぶりの開催で、ファンの方も待ってました!という感じだと思います。

藤井 カウントダウンライヴは1999年から2008年まで毎年やって、翌年からやらなくなって、その時「これで俺も卒業だなぁ、年末年始ゆっくりできる」と思っていました(笑)。それで2013年に5年ぶりにまたやることになって、いざステージに立ったら「久しぶりにここに戻ってきたなぁ」という感じよりも「うわ、またここにいるよ」と、タイムラグを感じなかったんです。今回またできることになって、ファンがいてくれるうちはやろう!と思いました。いつかできなくなる時がくるし、求められているうちが花だと思い、やることを決めました。

――フミヤさんのファンは親になっている人もたくさんいて、子供達は違うカウントダウンライヴに行って、親は武道館へという感じですね。

画像

藤井 2年前にやった時に、年末の忙しい時期でもみんな来てくれるんだなと思いました。その後、あるファンの人から、旦那と子供と3人で年越しそばを食べている写真が送られてきて(笑)、「私は行きたいのに行かせてもらえませんでした」って書いてあって。「ああ、意外とこういう状況の人が多いのかな」と思いました。

さらに強度を増したボーカルと、色気のあるバンドサウンドが作りだす”大人ロック”

藤井は神社でのライヴや、オーケストラをバックに歌うライヴなども多い。それは圧倒的な声量、歌の上手さ、そして豊かな表現力を持つシンガーだからこそできる表現の形だ。今回の『FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2016 大人ロック』の9月21日の東京国際フォーラム公演を観たが、腕利きのミュージシャン達が弾き出す、色気ある“大人の”音と、衰えを知らないどころか、さらに強度を増したかのような藤井のハイトーンボーカルとが相まって、極上の“大人”の空間を作り出し、ファンを楽しませていた。藤井はアルバムリリース時のインタビューで「ライヴで歌うことができれば後は多くを望まない」と語っていたが、自らがライヴを一番楽しむことでファンを盛り上げ、それにファンが応えるように、前のめりな想いがひとつになってステージ上の藤井に届き、それに藤井もバンドも乗せられ、さらにライヴが盛り上がる。カウントダウンライヴも一番楽しみにしているのは藤井だ。

12月まで続くツアー。そのままのテンションでカウントダウンライヴに突入し、お祭りのようなライヴに

――今回のツアーが12月3日までありますが、カウントダウンライヴはまた別物という感じになりそうですか?

画像

藤井 別ものにならざるを得ない感じですね。(藤井)尚之もバンドに加わるので、そうなるとそういう期待感もあるでしょうし、一番いいのはとにかく騒げて、お祭りのようなライヴになることですね。今、面白いことを練っています。恒例の、年が明けた瞬間の「君が代」斉唱はやります!ツアーのテンションをキープ、そのまま体力をキープしないといけないんです(笑)。

――ちょっとまだ早いのですが、今年はフミヤさんにとってどんな一年でしたか?

藤井 今年はインディーズデビューもしましたし、動いた一年でした。人生の中のひとつの大きな変換というか、それが一番大きな出来事でした。僕がインディーズからリリースすることがファンには浸透していても、作品が一般的には浸透しないのではという不安はありました。CDが売れない時代にそれは心配でした。でもやってみないとわからないじゃん精神で、スタッフにもやってだめだったらまたメジャーにもどればいいじゃんって言いました、迎えてくれるところがあったら(笑)。全国ツアーも2年ぶりだったので、体力的な事とパフォーマンス的な事が心配でしたが、始まってみると、まだまだできるなと思いました。

画像

30年を超えるキャリアで、初のインディーズからのCDリリースという大きな出来事が起こり、これまでとはひと味違う環境の中での活動だった2016年は、ファンを想い、想われという関係性が、さらに強固になったのではないだろうか。色々な意味で藤井にとっては忘れられない一年になったはずだ。そんな年の締めくくりと、新たな年のスタートの瞬間を、改めてファンとともに迎える今年のカウントダウンライヴは、これまでのものとは違う特別なものになりそうだ。チェッカーズでデビューしてから33年、ソロデビュー23年、まだまだ走り続けるポップスターからは、来年も再来年も忙しそうな気配が伝わってきた。さて何が待っているのか、発表の日を待ちたい。

画像

<Profile>

1962年7月11日、福岡県生まれ。’83年 チェッカーズとしてデビュー。’93年以降、ソロアーティストとして活動。「TRUE LOVE」や「Another Orion」等ミリオンヒットを連発。2013年にはデビュー30周年&ソロデビュー20周年のダブルアニバーサリーを迎えた。2015年は、昨年好評だった『billboard classics FUMIYA FUJII PREMIUM SYMPHONIC CONCERT』のアンコール公演を全国で開催。2016年7月13日に、4年ぶりのオリジナルアルバム『大人ロック』をインディーズよりリリース。現在アルバムを携えた2年ぶりの全国ツアーを敢行中。12月31日、2年ぶりのカウントダウンライヴを日本武道館で行う。

藤井フミヤオフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

田中久勝の最近の記事