賞味期限の過ぎた水はいつまで飲める?賞味期限切れでもすぐ捨てなくていい理由 阪神淡路大震災から30年 #専門家のまとめ
2025年1月17日、阪神淡路大震災の発生から30年を迎える。毎年、自然災害が日本や世界で発生している。「備えあれば憂いなし」とはいうものの、日々の忙しさにかまけて備蓄の賞味期限を確認していない人も多いのではないだろうか。
備蓄の中でも重要なのが水。たとえ食べ物がなかったとしても、水があれば当面は生きていける。水は命の源だ。
自宅や勤務先でペットボトルの水を備蓄している人が多いと思うが、ペットボトル水に印字されている期限は飲めなくなる期限ではない。そのことを知らない人も多いと思うのでぜひ伝えたい。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ペットボトル水の賞味期限は飲めなくなる期限ではない。容量が担保される期限である。
ガラス瓶であれば水は蒸発しない。が、ペットボトルの場合、容器を介して水が蒸発してしまう。ポリエチレンテレフタレート(PET)という素材に気体を透過する性質があるためだ。
ある程度の誤差範囲までは水が減っても許容されるが、誤差範囲を超えてまで内容量が減ってしまうと、「計量法」という法律に抵触することになり、販売できなくなる。だが、販売できないだけで、きちんと保管さえしていれば、中の水はじゅうぶん飲める場合が多い。
市販のペットボトル水は、不純物や雑菌の混入を防ぐため、ろ過・殺菌して出荷している。直射日光や高温高湿の場所を避け、適切に保管してあれば、未開封の水が腐る心配はない。だが外部から何らかの衝撃が加わり開いてしまったり、開封してしまったりしたペットボトル水には不純物や雑菌が混入する可能性がある。
期限切れを防ぐため、備蓄は定期的に入れ替える必要がある。だが、いざ非常事態が発生した際、もしペットボトル水の期限が切れていたとしても「期限切れだから飲めない」と決めつけないで、活用してほしい。水は命の源だから。