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賞味期限の過ぎた水はいつまで飲める?賞味期限切れでもすぐ捨てなくていい理由 阪神淡路大震災から30年 #専門家のまとめ

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
ペットボトルの水(写真:イメージマート)

2025年1月17日、阪神淡路大震災の発生から30年を迎える。毎年、自然災害が日本や世界で発生している。「備えあれば憂いなし」とはいうものの、日々の忙しさにかまけて備蓄の賞味期限を確認していない人も多いのではないだろうか。

備蓄の中でも重要なのが水。たとえ食べ物がなかったとしても、水があれば当面は生きていける。水は命の源だ。

自宅や勤務先でペットボトルの水を備蓄している人が多いと思うが、ペットボトル水に印字されている期限は飲めなくなる期限ではない。そのことを知らない人も多いと思うのでぜひ伝えたい。

ココがポイント

ペットボトルの水の賞味期限は、もっぱら表示と実際の容量の誤差が許容範囲内にある期間、すなわち計量法違反にならない限度
出典:産経新聞:産経ニュース 2018/7/3(火)

賞味期限が切れたら飲めなくなるというものではなく、未開封の状態で保存されているのであれば、口にしても問題ありません
出典:富士山の天然水 2023/4/30(日)

保管中に水が蒸発し、表記してある内容量を満たさなくなるため(計量法に抵触するため)規定の内容量をきちんと満たすための期限
出典:井出留美 2019/9/13(金)

「いや、水の賞味期限は、表示された容量が確保できる期限です」こう話すのは日本ミネラルウォーター協会の渡辺健介事務局長だ。
出典:産経新聞:産経ニュース 2018/7/3(火)

エキスパートの補足・見解

ペットボトル水の賞味期限は飲めなくなる期限ではない。容量が担保される期限である。

ガラス瓶であれば水は蒸発しない。が、ペットボトルの場合、容器を介して水が蒸発してしまう。ポリエチレンテレフタレート(PET)という素材に気体を透過する性質があるためだ。


ある程度の誤差範囲までは水が減っても許容されるが、誤差範囲を超えてまで内容量が減ってしまうと、「計量法」という法律に抵触することになり、販売できなくなる。だが、販売できないだけで、きちんと保管さえしていれば、中の水はじゅうぶん飲める場合が多い。

市販のペットボトル水は、不純物や雑菌の混入を防ぐため、ろ過・殺菌して出荷している。直射日光や高温高湿の場所を避け、適切に保管してあれば、未開封の水が腐る心配はない。だが外部から何らかの衝撃が加わり開いてしまったり、開封してしまったりしたペットボトル水には不純物や雑菌が混入する可能性がある。

期限切れを防ぐため、備蓄は定期的に入れ替える必要がある。だが、いざ非常事態が発生した際、もしペットボトル水の期限が切れていたとしても「期限切れだから飲めない」と決めつけないで、活用してほしい。水は命の源だから。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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